トヨタ自動車は2026年11月2日、「RAV4」の一部改良を発表し、同日にハイブリッド車(HEV)の発売を始めました。目玉は、路面に合わせて4WDの制御を切り替える「マルチテレインセレクト」の新搭載です。HEVの車両価格は、2025年12月の発売時から約5万円上がりました。
では、改良前の6代目RAV4を中古で探している人は、急いで買うべきなのでしょうか。それとも改良後のモデルが中古に回るまで待つべきなのでしょうか。結論から言うと、今回は外観やパワートレーンを変えない改良で、改良前の中古が一気に値崩れする材料は見当たりません。差がつくのは、泥・砂・岩場のような路面を走る予定があるかどうかです。
※ 情報の鮮度について:一次情報は、トヨタ自動車が2026年11月2日に公開したニュースリリース「RAV4を一部改良」です。公開から2日(約40時間)後の記事で、「何が変わったか」より「中古で探す人にとって何を意味するか」を中心にまとめます。価格はトヨタ公式サイトの商品ページで確認できなかったため、Car Watch(2026年11月2日付)などの報道と2025年12月の発売時の報道による参考値です。中古相場はIKURA Carsの2026年11月時点のデータによる参考値です。
トヨタ RAV4の一部改良とは:何が変わったか
トヨタ公式のニュースリリース(2026年11月2日付)で確認できる点は次のとおりです。
- 4WD車の走行モードに「マルチテレインセレクト」を新搭載する
- 切り替えスイッチのモードは「MUD&SAND」「NORMAL」「ROCK&DIRT」の3つ
- モードを切り替えたとき、メーター内のマルチインフォメーションディスプレイに作動状況の演出を表示する
- 通常のモデル(HEV)は11月2日に発売、プラグインハイブリッドシステム搭載車は2027年1月6日に発売する
報道では、泥や砂地向けの「MUD&SAND」は、タイヤの空転を適度に許容しながら駆動力の配分とブレーキを制御するモード、岩場や凹凸のある路面向けの「ROCK&DIRT」は、スリップを抑えて接地性を確保するモードと説明されています。従来のHEVには「TRAIL」「SNOW」のモードがありましたが、今回は「TRAIL」の考え方を、路面ごとに分けて特化させた形です。
一方、内外装のデザインは変わっていません。エンジンやモーターなどパワートレーンの刷新でもありません。街乗りと高速道路が中心の人にとって、日常の使い勝手が大きく変わる改良ではありません。
新車価格の整理:HEVは4万9,600円〜5万円の値上げ
HEVの価格は、次の表のとおりです。
| グレード | 2025年12月の発売時 | 今回の改良後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| Adventure(HEV) | 450万円 | 454万9,600円 | +4万9,600円(約1.1%) |
| Z(HEV) | 490万円 | 495万円 | +5万円(約1.0%) |
※ 価格はいずれも消費税込みの車両本体価格です。発売時の価格は2025年12月17日の発表時点の報道、改良後の価格は2026年11月2日付の報道による参考値です。
プラグインハイブリッド車(PHEV)は、Zが605万円、GR SPORTが635万300円と報じられています。PHEVは2026年3月の発売時にZ 600万円、GR SPORT 630万円でした。こちらも約5万円の値上げで、改良後のPHEVの発売は2027年1月6日です。
値上げ幅は約1%と小さく、新車価格の水準を大きく動かす話ではありません。ただ、新車が約5万円上がれば、中古との価格差も同じだけ広がります。「新車より安い」という中古の強みが少し増すため、中古の下値を支える方向に働くとみられます。
中古RAV4の相場:流通3,767台、平均328万円
ここからはIKURA Carsの相場データです。トヨタ RAV4の2026年11月時点の中古車相場は、流通3,767台・平均価格328万円、価格帯は200〜600万円です。
年式別に見ると、次のとおりです。
| 年式 | 流通台数 | 価格帯 |
|---|---|---|
| 2026年式 | 285台 | 380〜600万円 |
| 2025年式 | 160台 | 300〜600万円 |
| 2024年式 | 307台 | 240〜540万円 |
| 2023年式 | 567台 | 220〜520万円 |
| 2022年式 | 400台 | 200〜600万円 |
| 2021年式 | 714台 | 200〜600万円 |
| 2020年式 | 573台 | 200〜440万円 |
| 2019年式 | 739台 | 200〜380万円 |
※ 数値はIKURA Carsの市場分析に基づく参考値です。上限の600万円と下限の200万円は、掲載データの価格帯の端にあたります。2012年式以前の少数の車両は表から省いています。
流通の中心は、2019〜2021年式の5代目RAV4です。3つの年式の合計は739台+573台+714台=2,026台で、全体の3,767台の約54%を占めます。2026年式は285台で約7.6%ですが、これが2025年12月発売の6代目にあたります。
注目したいのは、2026年式の最安が380万円という点です。今回の改良後の新車価格は、Adventure(HEV)が454万9,600円、Z(HEV)が495万円です。2026年式の最安380万円との差は、Adventure比で約75万円、Z比で約115万円になります。この差額をどう評価するかが、改良前の6代目を中古で買うかどうかの分かれ目です。
なお、旧型のプラグインハイブリッド「RAV4 PHV」は別の項目で、流通238台、価格帯は240〜460万円です。
改良前の6代目を買ってもよいか:中古RAV4 影響の見方
改良前のHEV(2025年12月〜2026年10月に発売された車)と、改良後の違いは、現時点で公表されている範囲では次の1点です。
- マルチテレインセレクト(新しいモード)の有無
このほかの改良点は確認できていません。改良前の車にこの機能を後付けできるかどうかは、トヨタの発表では確認できませんでした。必要な人は、販売店に問い合わせて確かめてください。
見方を3つにまとめます。いずれも見通しであり、相場の動きを断定するものではありません。
- 改良前の6代目が急に安くなる可能性は低いとみられます。 外観が同じで価格差が約1%、機能の追加が悪路向けのモードという性格から、旧型扱いで評価が下がる材料は小さいと考えられます。
- 悪路・雪道をよく走る人は、改良後を選ぶ価値があります。 林道、スキー場、キャンプ場の未舗装路など、路面が荒れる場所へ行くなら、専用モードの有無は意味を持ちます。逆に舗装路だけなら、差はほとんど出ません。
- 改良前の登録済み未使用車が中古に出てくるかは、これから見極める段階です。 改良後への切り替えで在庫の扱いが変わる可能性はありますが、2026年式の流通285台のうちどれだけが該当するかは、現時点では判断できません。
買う・売る人のアクション
これから中古RAV4を買う人
- 予算が380万円前後なら、2026年式の6代目が候補に入ります。新車の454万9,600円(Adventure)との差が約75万円で、値上げ後は差が約5万円広がっています。
- 予算が300万円前後なら、2025年式(下限300万円)や2024年式(下限240万円)、2023年式(下限220万円)も視野に入ります。同じ車種でも年式で価格帯が大きく変わります。
- 悪路を走る予定がないなら、改良前の6代目でも困る場面は少ないはずです。反対に、雪道や泥道を走るなら、新モードの有無を確認材料にしてください。
- 2026年10月にはPHEVのリコールが届け出られています。対象かどうかは車台番号で確認できます。詳しくはトヨタ RAV4 PHEVのリコールを扱った記事にまとめています。
予算から買い時を逆算するときは、買い時診断や予算ツールが使えます。
いま5代目や6代目のRAV4に乗っている人
- 新車の値上げは、中古の下値を支える方向に働くと考えられます。売却を急ぐ理由は今のところありません。
- 売るつもりなら、リセールバリューの診断で、いまの年式・走行距離の目安を確認しておくと判断しやすくなります。
- 国内の新車需要の強さは、トヨタの8月の国内販売を扱った記事でも触れています。RAV4はその中心の1台でした。
まとめ
- トヨタは2026年11月2日、RAV4を一部改良し、4WDの走行モードを増やす「マルチテレインセレクト」を新搭載しました。HEVは同日発売、PHEVは2027年1月6日発売です。
- HEVの価格はAdventureが454万9,600円、Zが495万円で、2025年12月の発売時より4万9,600円〜5万円(約1%)高くなりました。
- 中古RAV4は流通3,767台・平均328万円(2026年11月時点)です。2026年式の最安380万円は、新車のAdventureより約75万円安い水準です。
- 外観とパワートレーンが同じなので、改良前の6代目が急落する可能性は低いとみられます。悪路・雪道を走る人だけ、新モードの有無を判断材料にしてください。
※ 相場は日々変わります。購入前には、実車の走行距離・修復歴・リコール対応状況を必ず確認してください。