トヨタ自動車は2026年11月5日、2026年4〜9月期(2027年3月期の第2四半期累計)の決算を発表しました。営業利益は前年同期比9.2%増の2兆1,911億円で、通期の営業利益予想は3兆4,000億円から3兆9,000億円へ5,000億円引き上げられました。結論から言うと、今回の好決算は円安とハイブリッド(HV)の強さによるものです。国内の中古車相場を今すぐ動かす材料というより、「HVの中古は需給が締まりやすい」という見方を裏づける内容でした。この記事では、決算の数字と、中古のアルファード・ハリアーの相場実数をあわせて整理します。
※ 情報の鮮度について:一次情報は、トヨタが2026年11月5日(日本時間)に発表した決算と、同日の決算説明会です。発表から約1日以内の内容を整理しています。数値はロイター(11月6日配信)、日刊自動車新聞、時事通信、トヨタの決算説明会の書き起こしなどの報道で確認しました。中古車相場はikura-cars.com調べ(2026年11月時点)の参考値です。
トヨタ 2026年4〜9月期決算とは 何が発表されたのか
まず4〜9月期(上半期)の主な数字です。
| 項目 | 2026年4〜9月期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 約27兆円 | 9.5%増 |
| 営業利益 | 2兆1,911億円 | 9.2%増 |
| 中間純利益(親会社の所有者に帰属) | 2兆2,364億円 | 26.1%増 |
| 電動車比率 | 55.6% | 前年同期は46.7% |
| ハイブリッド車の販売台数 | 245万台 | 8.3%増 |
※ 数値はトヨタの決算発表と報道各社による参考値です。売上収益は約26兆9,600億円で、概数にしています。
営業利益の増減要因を見ると、為替が6,850億円の押し上げ、原材料価格の上昇が4,650億円の押し下げでした。上半期の平均為替レートは1ドル=159円で、前年同期の146円から円安に振れています。つまり、販売台数が伸びたというより、円安の効果で円に換算した利益が膨らんだ決算です。
7〜9月の3カ月だけで見ると、営業利益は1兆1,280億円(前年同期比34%増)でした。ロイターによると、市場予想の中央値(9,920億円)を上回り、営業利益としては6四半期ぶりの増益と伝えられています。
通期予想を3.9兆円に上方修正 北米は黒字転換
通期(2027年3月期)の見通しは次のとおり引き上げられました。
| 項目 | 従来予想 | 新予想 |
|---|---|---|
| 営業利益 | 3兆4,000億円 | 3兆9,000億円 |
| 純利益 | 3兆2,500億円 | 3兆5,700億円 |
| 想定為替レート(ドル) | 1ドル=160円 | 1ドル=157円 |
上方修正の主因は、関税の前提見直しによる約2,100億円の押し上げと、コスト削減などの収益改善の積み上げです。想定為替レートは円高方向に見直されていますが、それでも上半期の実績(159円)は前年より円安水準です。
地域別では、北米の営業利益が上半期で1,661億円の黒字でした。前年同期は赤字でした。決算説明会では、価格改定と関税負担の軽減で黒字に戻ったと説明されています。ただし、米国の関税の影響は消えていません。通期で見た関税の影響額は1兆1,000億円とされており、会社側も関税の影響から完全には回復していないという趣旨を述べています。
トヨタ 決算 中古車 影響 ハイブリッドの受注残がカギ
中古車の読者にとって大切なのは、決算説明会で「ハイブリッドの受注残が大きい」と説明され、HVの増産に動くとされた点です。上半期のHV販売は245万台で、電動車比率は55.6%に達しています。
新車でHVが売れ続け、受注残も積み上がっているなら、納期を待てない人が中古のHVへ流れやすくなります。これは新車の納期が延びたときの典型的な動きで、中古のHVが値崩れしにくい理由の一つです。ただし、増産が進んで納期が短くなれば、この追い風は弱まる可能性があります。決算の数字だけで、国内の中古相場が上がると決めることはできません。
もう一つの見方は、円安です。円安が進むと、トヨタ車の輸出は採算が良くなります。国内の中古車の一部は輸出向けにも流れるため、為替が相場の下支えになる局面もあります。ただし、輸出の動きは各国の規制や需要にも左右されるため、現時点では見通しとしか言えません。
同じ上半期の販売台数の動きは「トヨタ、4〜9月の国内販売は12.4%増の80.3万台 世界は4.0%減 中古プリウス・アクアの相場の見方」で、前回の4〜6月期決算は「トヨタ、通期純利益3.25兆円に上方修正」で扱いました。今回はその続報にあたります。
中古アルファード・ハリアーの相場実数
トヨタの中古車は、ikura-cars.comの相場ページ(2026年11月時点)で233車種・合計12万62台が流通しています。収益を支える主力の2車種を見ます。
| 車種 | 流通台数 | 平均価格 | 価格レンジ |
|---|---|---|---|
| アルファード | 7,948台 | 423万円 | 75〜795万円 |
| ハリアー | 5,570台 | 312万円 | 110〜510万円 |
※ 数値はikura-cars.com調べ(2026年11月時点)の参考値です。
アルファードで最も台数が多いのは2021年式の1,261台で、価格帯は175〜795万円です。2026年式は240台で515〜795万円、2025年式は747台で435〜795万円と、新しい年式ほど高い水準で並びます。2023年式は877台で235〜795万円と、同じ年式でも差が大きい点に注意が必要です。
ハリアーは2021年式が1,129台、2023年式が982台と、この2つの年式に台数が集まっています。2023年式の価格帯は190〜510万円、2026年式は84台で310〜510万円です。
どちらも、価格レンジが広いのはグレードや走行距離、パワートレインの違いによるものです。平均価格だけで高い・安いを判断せず、年式と条件をそろえて比べる必要があります。
買う人・売る人のアクション
買う人は、HVや電動車の相場が急に下がると期待しないほうが無難です。受注残が大きい間は、状態のよい個体が早く動く可能性があります。気になる車種があれば、買い時診断で価格が動きやすい時期を確認し、比較ツールで年式違いの価格差を見ておくと判断しやすくなります。予算が決まっているなら、新しい年式にこだわらず、2021〜2023年式あたりの台数が多い層から探すと選択肢が広がります。
売る人は、円安が続き新車のHV需要が強い間は、査定額が比較的しっかり出る可能性があります。ただし、為替は変動します。売却を考えているなら、リセール予測で数年後の価格の目安を見たうえで、複数の査定を比べるのが現実的です。
なお、関税や為替の前提が変われば、トヨタの業績も新車価格も変わり得ます。決算発表は、相場の方向を示す材料の一つにとどまります。
まとめ
- トヨタの2026年4〜9月期の営業利益は9.2%増の2兆1,911億円。通期予想は3兆9,000億円に上方修正され、北米は上半期で黒字に転じた
- 好決算の主因は円安で、為替は6,850億円の押し上げ、原材料価格は4,650億円の押し下げだった。HVの受注残が大きいという説明は、中古HVの需給を支える材料になりうる
- 中古のアルファードは平均423万円・7,948台、ハリアーは平均312万円・5,570台(2026年11月時点)。この決算だけで国内の相場が大きく動くとは言えない
- 買う人は年式と条件をそろえて比べ、売る人は為替が円安のうちに複数の査定を比べるのが無難