トヨタ自動車は2026年10月29日、2026年度上半期(4〜9月)の世界販売を発表しました。レクサスを含む世界販売は505万9千台で前年同期比4.0%減、上半期としては2年ぶりの前年割れです。一方、日本国内の販売は80万3千台で12.4%増と、3年ぶりに前年を上回りました。結論から言うと、世界では中国の落ち込みが目立つものの、国内の新車販売は堅調で、中古のトヨタ車の相場を急に押し下げる材料とは言えません。むしろ乗り換えが進めば、中古の流通台数が少しずつ増えていく可能性があります。この記事では、発表の数字と、中古のプリウス・アクアの相場実数をあわせて整理します。

※ 情報の鮮度について:一次情報は、トヨタが2026年10月29日に発表した2026年度上半期の生産・販売実績です。発表から2日以内の内容を整理しています。数値は朝日新聞(同日配信)、共同通信、NHK(10月29日14時49分配信)の報道で確認しました。中古車相場はikura-cars.com調べ(2026年10月時点)の参考値です。

トヨタの2026年4〜9月実績 何が発表されたのか

地域別の主な数字は次のとおりです。

項目2026年4〜9月前年同期比
世界販売(レクサス含む)505万9千台4.0%減
世界生産489万台1.9%減
国内販売80万3千台12.4%増
北米販売153万9千台1.8%増
欧州販売59万5千台1.4%増
中国販売68万5千台25.1%減
電動車(HVなど)販売281万台14.2%増

※ 数値は報道各社が伝えたトヨタの発表内容による参考値です。台数は千台単位で丸めています。

世界全体の減少を引き起こしたのは中国です。中国の販売は68万5千台で25.1%減り、中国のハイブリッド車(HV)も39万2千台で9.9%減りました。報道は、中東情勢の緊迫によるガソリン価格の上昇や、現地メーカーとの競争の激しさを背景に挙げています。

反対に、北米は上半期として過去最高の153万9千台でした。北米のHVは77万9千台で20.2%増え、ガソリン価格の高騰でHVの需要が高まったと伝えられています。欧州も59万5千台で、こちらも上半期の過去最高です。

世界販売のうち、国内は80万3千台で約16%にあたります。国内の伸びだけで世界の減少を埋められる規模ではありませんが、日本で中古車を探す人にとっては、国内の動きのほうがそのまま関係してきます。

国内販売が12.4%増えた背景

報道では、国内の伸びを支えたのは新型車と伝えられています。もう一つ見落とせないのが税制の変更です。自動車を購入するときにかかる環境性能割は、2026年3月31日で廃止されました。4月1日以降に登録する車には、新車・中古車を問わず課税されません。年度初めに購入を見送り、4月以降に登録した人がいた可能性があります。

この点は、同じ国内市場を扱った過去の記事とあわせて読むと見えやすくなります。8月単月の国内販売は「トヨタ8月の国内販売とRAV4・bZ4Xの中古車への影響」で扱いました。月ごとではなく半年の累計で見ても、国内の新車販売は崩れていません。

中古トヨタ車の相場は 乗り換えが進むと何が起きるか

新車が売れるとき、中古市場には二つの流れが生まれます。一つは新車への乗り換えに伴う下取り車の流入、もう一つは新車の納期が長引いたときに中古へ流れる需要です。国内の新車販売が増えている今は、前者がじわじわ働く局面と考えられます。ただし、台数の動きは数カ月遅れて現れます。今回の発表だけで、どの車種がいつ値下がりすると決めることはできません。

実際の相場を見てみます。ikura-cars.comの相場ページ(2026年10月時点)では、トヨタの中古車は233車種・合計12万62台が流通しています。

車種流通台数平均価格価格レンジ
プリウス9,333台190万円15〜415万円
アクア6,895台116万円10〜410万円

※ 数値はikura-cars.com調べ(2026年10月時点)の参考値です。

プリウスは年式の幅が広いのが特徴です。最も台数が多いのは2023年式で1,664台、価格帯は195〜415万円です。2026年式は129台で、275〜415万円と高めに分布しています。一方、2016年式は1,375台あり、55〜415万円と幅があります。年式を絞ると、同じプリウスでも価格差が大きいと分かります。

アクアは、最多が2015年式の738台です。2023年式は499台で90〜290万円、2022年式は415台で70〜250万円です。平均価格が116万円と手頃なぶん、予算を決めて年式を探すと選びやすい車種です。流通台数は前日比で11台増えていますが、プリウスの14台増とあわせて、大きな変動は見られません。

世界ではHVの需要が強いことが、今回の発表の裏側にあります。北米のHV販売が2割増えているように、HVは海外でも人気があります。国内で供給が増えても、HVの中古は相場が崩れにくい傾向があるとみられます。ただし、輸出が相場を支えるかどうかは、為替や各国の規制にも左右されるため、現時点では見通しとしか言えません。

買う人・売る人のアクション

買う人は、年式と走行距離から先に予算を決めるのが近道です。買い時診断で、気になる車種の価格が下がりやすい時期を確認できます。国内の新車販売が増えると、数カ月後に下取り車が中古市場へ出てくる可能性があります。急いで買う必要がなければ、年末から年度末にかけての在庫の動きを見ながら探す選択肢もあります。

売る人は、新車への乗り換え需要が高まっている今のうちに、査定額を確認しておく価値があります。リセール予測で、数年後の価格の目安を試算できます。乗り換えが集中する時期は下取り台数が増えるため、相場が緩む前に動くという考え方もあります。購入を考えている人は、予算シミュレーターで月々の支払いの目安を出しておくと判断しやすくなります。

まとめ

  • トヨタの2026年4〜9月の世界販売は505万9千台で4.0%減。中国が25.1%減と全体を押し下げた
  • 国内販売は80万3千台で12.4%増。新型車が伸びを支え、環境性能割の廃止も購入のタイミングに影響した可能性がある
  • 中古のプリウスは平均190万円・9,333台、アクアは平均116万円・6,895台(2026年10月時点)。この発表だけで相場が大きく動くとは言えない
  • 乗り換えが進めば、数カ月後に下取り車が増える可能性がある。買う人は年末から年度末の在庫を見ながら、売る人は早めに査定額を確認するのが無難