トヨタ自動車が2026年9月29日に公表した8月の販売・生産・輸出実績で、国内販売(トヨタ・レクサス)は10万5,067台、前年同月比9.1%増となり、5カ月連続で前年を上回りました。一方、世界販売は79万743台で6.4%減、こちらは2カ月連続の前年割れです。海外販売が8.4%減と7カ月連続で前年を下回るなか、国内だけが伸びている構図です。トヨタは国内の増加要因として、RAV4、bZ4X、ランドクルーザーFJなど新型車の好調を挙げています。新型が売れれば、その前の世代を手放す動きも出てくるため、中古相場の見方にも関わってきます。

※ 情報の鮮度について:本記事は、トヨタ自動車が2026年9月29日付で公表した「2026年8月 販売・生産・輸出実績」(公式サイトの詳細データ)を一次情報としています。公表から1日未満の速報にあたります。世界販売・国別の増減はロイターの報道とも突き合わせました。中古車相場はikura-cars.com調べ(2026年9月時点)の参考値です。

トヨタ2026年8月の販売実績とは 国内は増、海外は減

トヨタ(レクサス含む)の8月実績は次のとおりです。

区分台数前年同月比連続の動き
世界販売79万743台6.4%減2カ月連続の前年割れ
国内販売10万5,067台9.1%増5カ月連続の前年超え
海外販売68万5,676台8.4%減7カ月連続の前年割れ
世界生産70万860台5.9%減―

※ 数値はトヨタ自動車の公表資料による(レクサス含む、ダイハツ・日野を除く)。前年同月比は公表値。

国内販売は世界販売の約13%(10万5,067台÷79万743台)にあたります。前年同月比9.1%増は、台数に直すと約8,800台の上積みです。1〜8月の累計でも、国内は105万9,885台で6.0%増、世界は665万5,766台で3.6%減と、同じ傾向が続いています。

海外の減少で目立つのは中国です。中国の販売は11万8,449台で22.8%減と、ガソリン価格の上昇でガソリン車市場(ガソリン車とハイブリッド車を含む)の低迷が続いているとトヨタは説明しています。米国も21万5,556台で4.4%減でした。

国内は何が売れているのか

トヨタの公表資料は、国内販売の増加要因として、堅調な需要に加え、RAV4、bZ4X、ランドクルーザーFJなどの新型車が好調だったことを挙げています。3車種の新車側の概要を整理します。

車種発売新車価格(消費税込)月販基準台数
RAV4(ハイブリッド)2025年12月17日Adventure 450万円、Z 490万円3,000台
RAV4(プラグインハイブリッド)2026年3月9日Z 600万円、GR SPORT 630万円700台
ランドクルーザーFJ2026年5月14日VX 450万100円1,300台
bZ4X(一部改良)2025年10月9日480万〜600万円―

※ 価格・月販基準台数はトヨタ自動車の発売時のニュースリリースによる。bZ4Xの価格帯は報道による(74.7kWh・2WDは550万円、航続距離は最大746km)。

RAV4の2つのパワートレインとランクルFJの月販基準台数を足すと5,000台で、8月の国内販売の5%弱にあたります(単純合計)。もちろんこれらだけで国内の伸びを説明できるわけではありませんが、新車の販売現場で選ばれる車の顔ぶれが入れ替わりつつあることは読み取れます。

電動車の内訳も見ておきます。8月の国内販売のうち、ハイブリッド車(HEV)は6万932台で10.5%増。電動車全体(HEV・プラグインハイブリッド・電気自動車・燃料電池車)では6万4,866台、14.7%増で、国内販売の約62%を電動車が占めました。

一方で、レクサスの国内販売は5,347台で13.5%減でした。国内が全体で伸びているとはいえ、車種・ブランドによって濃淡があります。ダイハツの国内販売も2万9,681台で17.4%減と、トヨタブランドとは逆の動きです。軽自動車まわりの新車動向は、8月の新車販売と軽の反落を整理した記事もあわせてどうぞ。

生産面の注意点 熊本地震と台風の影響

8月の国内生産は20万4,487台で1.7%減でした。トヨタは、需要は堅調ながら、令和8年熊本地震と台風13号による稼働停止の影響があり前年並みにとどまったと説明しています。地震による九州3工場の停止については、レクサス中古相場への影響を整理した記事で扱っています。

国内販売が伸びているのに国内生産が伸びない状態が続くと、納期(注文から納車までの期間)は延びやすくなります。納期が延びれば、すぐ乗れる中古車に目が向く場面が増える可能性があります。ただし、納期の実態は車種・グレード・販売店ごとに異なり、今回の公表資料には納期のデータは含まれていません。購入前は販売店で最新の状況を確認してください。

新型RAV4・bZ4Xで中古相場はどうなる

国内の新型車が好調だと、中古車市場では2つの動きが考えられます。1つは、新型へ乗り換える人が先代・現行モデルを下取りや買取に出し、中古の流通が増える動き。もう1つは、新車の納期や価格を嫌って、割安な中古へ需要が流れる動きです。どちらが強く出るかは車種と時期で変わるため、ここでは相場の実数を確認します。

ikura-cars.comの相場データ(2026年9月時点)では、次のとおりです。

車種流通台数平均価格価格レンジ
RAV43,759台328万円200万〜600万円
RAV4 PHV238台346万円240万〜540万円
bZ4X69台357万円265万〜545万円

※ ikura-cars.com調べ、2026年9月時点の参考値。実際の取引価格は年式・走行距離・グレードで変動します。

RAV4は流通台数が3,759台と多く、年式別では2021年式が740台で最多、2019年式が718台、2020年式が580台、2023年式が601台と続きます。相場の入口は年式で大きく違い、2019〜2021年式は200万〜440万円、2023年式は220万〜460万円、2025年式は300万〜600万円、2026年式(260台)は380万〜600万円です。新車の最安グレード(Adventure、450万円)と比べると、平均価格328万円は約122万円低く、2026年式の下限380万円でも新車より約70万円低い水準です。

bZ4Xは流通が69台と少なく、平均357万円は新車の最安480万円(改良後の下限)より約123万円低い水準です。年式別では2024年式が27台で285万〜485万円、2023年式が22台で265万〜425万円です。台数が少ないため、条件の合う個体を探す場合は複数の販売店を比べるのが前提になります。

ランドクルーザーFJ(2026年5月発売)は、2026年9月時点でikura-cars.comに相場ページがなく、中古車市場にまとまった台数は出ていないとみられます。名前の似た「FJクルーザー」(317台・平均288万円)は旧型の別の車種で、今回の新型とは別です。

相場の見通し(条件付き)

RAV4の新車が月販基準台数3,000台(ハイブリッド)で供給される状況が続けば、下取りに出される先代・現行の個体は徐々に増えるとみられます。RAV4は中古の流通量が多い車種で、台数が増えても価格が急に崩れる形にはなりにくいと考えられますが、流通が特に厚い2019〜2021年式帯は、供給が増えた場合に価格の上値が重くなる可能性があります。逆に、新車納期が長引く場合は、状態のよい2023年式前後の個体が探されやすく、下値を支えると見込まれます。いずれも見通しであり、実際の動きは今後の月次データで確認が必要です。

読者はどうすべきか

  • RAV4を中古で探している方:平均328万円という数字に対し、年式による価格差が非常に大きい車種です。買い時マップで年式と走行距離の割安ゾーンを確認し、新車の最安450万円との差を基準に予算を決めると比べやすくなります。
  • RAV4に乗っていて乗り換えを考えている方:新型の販売が好調な時期は、下取りや買取の依頼が増えやすい時期でもあります。査定診断で現在の目安を把握し、リセール予測で今後の売却見込みも見たうえで、複数社の査定を比べてください。
  • bZ4Xを検討している方:流通が少なく、中古の平均は新車の最安を100万円以上下回っています。台数が限られるため、気になる個体があれば早めに現車確認を。車種比較で他のSUVとの価格差も確認できます。
  • ランクルFJの中古を待っている方:現時点では中古の流通がありません。新車の販売状況が落ち着くまでは、相場ページの掲載を待つ形になりそうです。

まとめ

  • トヨタの2026年8月の国内販売は10万5,067台で前年同月比9.1%増、5カ月連続のプラスです。世界販売は79万743台で6.4%減、中国の販売が22.8%減と響いています
  • トヨタは国内の好調要因としてRAV4、bZ4X、ランドクルーザーFJなどの新型車を挙げています
  • 中古相場はRAV4が平均328万円(流通3,759台)、bZ4Xが平均357万円(流通69台)。いずれも新車の最安グレードを100万円前後下回っています
  • 中古相場への波及は、下取り増による供給増と、納期を嫌った需要の流入の両面があり得ます。動きは今後の月次データで確認が必要です

実際の取引価格は個体の状態や地域によって変動します。売買のタイミングは、最新の相場とあわせて確認してください。