トヨタ自動車は2026年10月7日、新型「RAV4」のプラグインハイブリッド車(PHEV)について、国土交通大臣へリコールを届け出ました。対象は2026年2月4日〜9月4日に製造された5,307台です。モーター制御用コンピュータのプログラムに不具合があり、最悪の場合は走行中にシステムが停止して走れなくなるおそれがあります。改善措置は、コンピュータのプログラムを修正するもので、部品の交換は伴いません。結論から言うと、事故の報告はなく、修理は無償のプログラム書き換えで済むため、中古車の相場に与える影響は限定的とみられます。対象かどうかの確認と、売買の場面での注意点を整理します。

※ 情報の鮮度について:本稿は、トヨタ自動車が国土交通省へ届け出た2026年10月7日付のリコール(届出番号5888)を一次情報としています。届出から1日程度しか経っていないため、速報として扱います。台数・型式・不具合の内容は国土交通省とトヨタ公式サイトの掲載内容、中古相場はIKURA Carsの2026年10月時点のデータによる参考値です。

何が起きたか:RAV4 PHEVのリコールの概要

国土交通省の報道発表(令和8年10月7日)と、トヨタ公式サイトのリコール等情報に掲載された内容を整理します。

項目内容
届出日2026年10月7日(リコール開始日は10月8日)
届出番号5888
対象車種トヨタ RAV4(プラグインハイブリッド)
型式6LA-AXAP64
製作期間2026年2月4日〜9月4日
対象台数5,307台
不具合の部位電気装置(モーター制御用コンピュータ)
不具合件数7件
事故の有無なし
発見の動機市場からの情報
改善措置全車両、モーター制御用コンピュータのプログラムを対策仕様に修正

対象台数の内訳は、車台番号AXAP64-0001001〜AXAP64-0002440の範囲が1,440台(製作期間2026年2月4日〜9月2日)、AXAP64-2000000〜AXAP64-2003883の範囲が3,867台(同2月4日〜9月4日)です。合計は1,440台+3,867台=5,307台で、届出一覧表の「計5,307台」と一致します。

※ 数値は国土交通省の届出一覧表による参考値です。車台番号の範囲には対象外の車両も含まれるため、該当するかどうかはトヨタ販売店か、トヨタ公式サイトの対象車両検索で確認してください。

不具合の中身:「モーターの初期学習」が終わらないと何が起きるか

届出の内容を平たく言うと、次のとおりです。

届出書には、始動時にモーターの初期学習が完了しない場合、と書かれています。つまり、システムを始動するときに行われるモーターの初期学習が完了しないまま走り出すと、走行中にモーターの出力制御が正しく行われず、システムが異常を検出することがあります。その結果、メーター内の警告灯が点灯し、最悪の場合はシステムが停止して走行不能になるおそれがある、というものです。原因は、モーター制御用コンピュータのプログラムの検討が不十分だったこととされています。

不具合は市場からの情報で見つかり、確認された件数は7件、事故はありません。プログラムの問題なので、修理は販売店でコンピュータのプログラムを書き換える形になります。車両の部品を取り替える修理と比べれば、作業の内容は限定的です。ただし、作業にかかる時間や、販売店の予約の取りやすさは、地域や店舗によって変わる可能性があります。

警告灯が点灯したときの対応(トヨタの案内)

トヨタ公式サイトは、メーター内にエンジン警告灯が点灯した場合、または「HVシステム故障 システム停止 安全な場所に停車」の表示と複数の警告灯が点灯した場合の取り扱いを案内しています。

  1. ハザードランプで後続車に合図しながら、路肩などの安全な場所に停止する
  2. 完全に停止したらPレンジに入れ、パワースイッチをOFFにする
  3. ブレーキペダルをしっかり踏んでパワースイッチをONにし、再始動する(再始動すれば走行を再開できるが、速やかに販売店へ連絡する)

走行を再開できる場合でも、リコール対象車であれば、早めに販売店で修理を受けるのが安心です。

対象かどうかを確認する方法

RAV4 PHEVを所有している方は、次の順に確認します。

  • 車検証で型式を見る:型式欄が「6LA-AXAP64」であれば、まずリコールの範囲に含まれる可能性があります。今回の届出で対象になっている型式は、この1型式だけです。
  • 車台番号を確認する:車検証の車台番号が、上の2つの範囲(AXAP64-0001001〜0002440、AXAP64-2000000〜2003883)に入っているか見ます。
  • トヨタ公式サイトの対象車両検索を使う:車台番号を入力すると、対象かどうかが確認できます。
  • ダイレクトメールを待つ:届出書では、使用者への通知はダイレクトメール等で行うとされています。通知が届くのを待たず、先に販売店へ問い合わせて構いません。

トヨタお客様相談センターの電話番号は、届出書に0800-700-7700と記載されています。

中古車市場への影響:新型RAV4 PHEVはまだ中古に少ない

では、中古車の相場にはどう波及するでしょうか。まず、IKURA Carsで確認できる現在の流通データです。

車種流通台数平均価格価格レンジ
トヨタ RAV4(全パワートレイン)3,766台328万円200万〜600万円
トヨタ RAV4 PHV(先代・2020〜2024年式が中心)241台348万円245万〜545万円

※ IKURA Carsの2026年10月時点の相場データ(参考値)です。詳しくはRAV4の相場ページ・RAV4 PHVの相場ページをご覧ください。

押さえておきたい点が2つあります。

1つ目は、今回の対象は新型(2026年2月以降に製造)のPHEVで、先代の「RAV4 PHV」ではないことです。先代のRAV4 PHVは、IKURA Carsでは241台が流通しており、年式は2021年式の161台と2022年式の59台が中心です。今回の対象は製作期間が2026年2月以降の新型だけなので、先代の中古相場は今回の届出と直接の関係がありません。

2つ目は、新型PHEVの中古がまだ多くないことです。RAV4の相場ページでは、2026年式が263台流通し、価格は380万〜600万円です。ただしこの台数にはハイブリッドも含まれ、相場ページにはパワートレイン別の内訳がありません。先代のRAV4 PHVのページで見ても、2026年式は1台(545万円)にとどまります。新型PHEVは2026年3月9日に発売され、新車価格はZが600万円、GR SPORTが630万円です。発売からまだ7カ月ほどで、中古市場にまとまった台数が出る前の段階といえます。

したがって、今回のリコールで中古の相場が大きく動く可能性は低いとみられます。理由は次の3つです。

  1. 改善内容がプログラムの修正で済む:部品の交換を伴わず、コンピュータのプログラムを対策仕様に書き換える内容です。
  2. 事故の報告がない:不具合件数は7件で、事故は起きていません。
  3. 対象の中古がまだ少ない:新型PHEVは流通が薄く、相場全体を動かすほどの台数がありません。

一方で、気をつけたい点もあります。リコール対象の中古は、修理が済んでいるかどうかで、個体ごとの商談がしやすいかどうかが分かれる可能性があります。未対応の車両は、購入前に修理が必要になる場合があり、納車までの期間が延びるかもしれません。これは相場全体の動きというより、個体単位の条件差です。なお、これは見通しであり、実際の動きは今後の流通台数と販売店の対応状況に左右されます。

過去のリコール(フォルクスワーゲン・アウディの燃料タンク)で整理した考え方も参考になります。部品交換で解消する不具合は、資産価値を大きく損なう性格のものではないとみられる一方、リコール歴は査定や商談の確認事項になります。詳しくはフォルクスワーゲン・アウディに燃料タンクリコールをご覧ください。

読者のアクション:持っている人・買う人・売る人別の考え方

  • RAV4 PHEVを所有している方:型式と車台番号を確認し、対象であれば販売店に来店予約を入れてください。修理は無償です。警告灯が点灯した場合は、上の手順で安全に停車し、速やかに販売店へ連絡してください。
  • 新型RAV4の購入を検討している方:PHEVを選ぶ場合は、納車前に対策が済んでいるかを販売店に確認しておくと安心です。納車時期は、販売店の対応状況によって変わる可能性があります。新車と中古の価格差を見るには、車種比較ツールで並べてみてください。
  • 新型RAV4 PHEVの中古を探している方:流通が少ない車種です。「リコール対応済みか」「対応した日付が分かる書類があるか」を販売店に聞いてください。未対応でも無償修理が受けられるため、購入自体を避ける必要はありませんが、納車までの手順は事前に確認しておきたいところです。年式ごとの割安なゾーンは買い時マップで調べられます。
  • RAV4 PHEVを売却したい方:売却前にリコールの修理を済ませておくと、査定の場で説明しやすくなります。修理の完了を示す書類は保管しておいてください。現在の車両価値の目安は査定診断、今後の価値の見込みはリセール予測で把握できます。

RAV4全体の相場の見方は、トヨタ8月の国内販売とRAV4・bZ4Xの中古相場でも整理しています。

まとめ

  • トヨタは2026年10月7日、新型RAV4 PHEV(型式6LA-AXAP64、2026年2月4日〜9月4日製造)5,307台のリコールを届け出ました。内訳は1,440台と3,867台です
  • 原因はモーター制御用コンピュータのプログラムの検討不足で、始動時のモーター初期学習が完了しないと、警告灯の点灯や、最悪の場合は走行不能になるおそれがあります。不具合は7件、事故は報告されていません
  • 改善措置はコンピュータのプログラム修正で、修理は無償です。対象かどうかは、車台番号とトヨタ公式サイトの対象車両検索で確認できます
  • 中古相場は、RAV4が平均328万円(流通3,766台)、先代RAV4 PHVが平均348万円(同241台)です。新型PHEVの中古はまだ少なく、相場への影響は限定的とみられます。確認の要点は、リコール対応が済んでいるかどうかです

なお、実際の取引価格は個体の状態や地域によって変動します。購入・売却を検討する際は、最新の相場情報と販売店の案内をあわせて確認してください。