2026年10月1日、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が9月の新車販売台数を発表しました。9月単月は433,683台で前年同月比1.3%増、市場全体が前年実績を上回るのは6カ月連続です。あわせて明らかになった2026年度上半期(4〜9月)は、登録車が約10%増と3年ぶりに増加した一方、軽自動車は前年を下回りました。新車の売れ方が登録車と軽で分かれた形で、中古車を買う側・売る側にとっては、どちらの車種帯で動きが出やすいかを見分ける材料になります。

※ 情報の鮮度について:本記事は、2026年10月1日に公表された自販連・全軽自協の9月新車販売速報を一次情報としています。公表から3日あまりが経過しているため、速報ではなく、半期の数字をいま中古車選びにどう結びつけるかを整理する構成にしています。台数は自販連・全軽自協の公表値と、AUTOCAR JAPAN・日本経済新聞の報道を突き合わせました。中古車相場はikura-cars.com調べ(2026年10月時点)の参考値です。

2026年9月の新車販売とは 登録車は増、軽は微減

9月の国内新車販売(登録車と軽自動車の合計)は次のとおりです。

区分2026年9月前年同月比
総合(登録車+軽)433,683台1.3%増
登録車271,900台2.5%増
軽自動車161,783台0.6%減

軽自動車は前年同月の162,825台を下回り、2カ月連続の前年割れです。内訳は、乗用車が124,450台で2.7%減、貨物車が37,333台で7.0%増でした。軽乗用車が弱く、軽貨物車が全体の下支えになった形です。

登録車は6カ月連続で前年を上回りました。ブランド別(AUTOCAR JAPANの報道による)では、トヨタが120,559台で2.5%増、日産が24,515台で5.5%増、スズキが17,321台で14.8%増、マツダが11,581台で9.7%増でした。一方、ホンダは2.2%減、スバルは9.6%減、三菱は6.2%減で、メーカーごとの濃淡がはっきりしています。

軽自動車のブランド別では、スズキが51,792台で首位、ダイハツ47,748台、ホンダ25,505台、日産20,814台、三菱8,482台の順でした。

2026年度上半期(4〜9月)の新車販売 登録車だけが伸びた

4〜9月の累計は次のとおりです。

区分2026年4〜9月前年同期比
総合(登録車+軽)2,292,064台約5%増
登録車1,504,178台約10%増(AUTOCAR JAPANの報道では9.6%増)
軽自動車787,886台前年を下回る

登録車と軽の台数を足すと2,292,064台で、総合の数字と一致します。登録車が前年同期を上回るのは3年ぶりです。

日本経済新聞は、トヨタの4〜9月の国内販売が759,293台で約13%増だったと報じています。牽引役としてRAV4と、2025年10月に改良した電気自動車(EV)「bZ4X」を挙げています。同紙は、軽自動車を主力とするメーカーが減速した理由を、前年に新型車を投入した反動と、新型車の不足と説明しています。トヨタの8月までの動きは、トヨタ8月の国内販売とRAV4・bZ4Xの中古相場で整理しています。

つまり、2026年度上半期は「新型車を出せたメーカーの登録車が伸び、新型の谷間にある軽が伸び悩んだ」という構図です。前月8月の軽の反落については、日産キックス・エルグランドが好調だった8月の新車販売の記事で扱っています。

中古車市場への影響 登録車と軽で分けて見る

新車の売れ方が分かれると、中古車市場に及ぶ影響の向きも車種帯ごとに変わります。ここでは、新車販売の上位に入る車種を例に、ikura-cars.comの相場データ(2026年10月時点)を並べます。

車種流通台数平均価格最多の年式
ホンダ N-BOX27,368台126万円2026年式(3,313台)
スズキ スペーシア14,194台135万円2026年式(3,100台)
トヨタ RAV43,771台328万円2019年式(735台)
トヨタ ヤリス2,424台155万円2021年式(632台)

※ ikura-cars.com調べ、2026年10月時点の参考値。実際の取引価格は年式・走行距離・グレードで変動します。

軽自動車 流通は厚く、新しい年式が多い

N-BOXは流通27,368台、スペーシアは14,194台と、軽の定番2車種は在庫が非常に厚い状態です。最も多い年式がどちらも2026年式で、登録から間もない個体が中古市場の中心に並んでいます。

新車の軽乗用車が前年を下回るなかでも、中古側には新しい年式が多く出ている、という見方ができます。新車の供給が細る局面では、新しい年式の中古に需要が向かう余地があり、相場は底堅くなる可能性があります。ただし、N-BOXの平均126万円は新車価格(165万〜282万円)を大きく下回る水準で、新車に近い条件の個体は価格の幅が広くなります。

登録車 RAV4とヤリスは年式で価格が大きく変わる

RAV4は流通3,771台で平均328万円です。2026年式は263台で、価格は380万〜600万円と、平均より大きく上にあります。最も台数が多いのは2019年式の735台で、同じ車種でも年式で価格の層がはっきり分かれます。

ヤリスは流通2,424台、平均155万円で、価格帯は50万〜410万円と広く、最多は2021年式の632台です。新車の登録車が好調な時期は、乗り換えで下取りに出される個体が増え、流通が厚い年式帯では価格の上値が重くなる可能性があります。一方、状態のよい新しい年式は探す人が多く、値下がりしにくいとみられます。

相場の見通し(条件付き)

登録車の新車が好調な間は、下取りや買取に出る先代・現行の個体が増え、とくに流通の厚い年式帯では価格が横ばいから緩やかな軟化に傾く可能性があります。軽は、新車が前年を下回る状況が続けば、新しい年式の中古に需要が寄る場面が出てくると考えられます。いずれも見通しであり、実際の動きは今後の月次データで確認が必要です。

読者はどうすべきか

  • 軽を中古で探している方:N-BOXやスペーシアは在庫が多く、年式・走行距離ごとの価格差が大きい車種です。買い時マップで割安なゾーンを確認し、同じ条件の個体を複数比べてください。
  • 登録車(RAV4・ヤリスなど)の購入を検討している方:流通が厚い2019〜2021年式帯は選択肢が多く、時間をかけて比べやすい帯です。2026年式のように新しい年式は価格が高めなので、新車価格との差を基準に予算を決めると判断しやすくなります。
  • 乗り換えを考えている方:新車が売れている時期は、下取り・買取の依頼が増えやすい時期でもあります。査定診断で現在の目安を把握し、リセール予測で今後の見込みも見たうえで、複数社の査定を比べてください。
  • 売買のタイミングを待っている方:相場は月ごとに動きます。気になる車種がある場合は、ikura-cars.comの相場ページで流通台数と平均価格の推移を確認してから動くと比べやすくなります。

まとめ

  • 2026年9月の国内新車販売は433,683台で1.3%増、6カ月連続で前年を上回りました。登録車は271,900台で2.5%増、軽は161,783台で0.6%減です
  • 2026年度上半期(4〜9月)は総合が2,292,064台で約5%増。登録車は1,504,178台で約10%増と3年ぶりに増加し、軽は787,886台で前年を下回りました
  • 中古相場はN-BOXが平均126万円(流通27,368台)、スペーシアが平均135万円(同14,194台)、RAV4が平均328万円(同3,771台)、ヤリスが平均155万円(同2,424台)です
  • 中古相場への波及は、登録車では下取り増による供給増、軽では新しい年式への需要という両面があり得ます。動きは今後の月次データで確認が必要です

実際の取引価格は個体の状態や地域によって変動します。売買のタイミングは、最新の相場とあわせて確認してください。