日産のカスタマイズ事業部門である日産モータースポーツ&カスタマイズ(オーテック)は2026年8月20日、新型「キックス」をベースにしたアウトドア仕様のカスタムカー「ROCK CREEK(ロッククリーク)」を発表しました(本稿執筆時点=2026年8月22日の情報。一次情報は2026年8月20日発表分)。価格は348万5,900円から430万9,800円で、発売は2026年12月23日を予定しています。新型キックスは今年6月にフルモデルチェンジしたばかりで、ロッククリークはその発表と同じ日に存在が先行公開されていた仕様です。今回、価格と発売日が確定しました。2代目への注目が積み重なることで、初代キックスの中古相場にどのような影響が出うるか、順番に整理します。
何が起きたか:防水シート・ブラック加飾のアウトドア仕様を追加
ロッククリークは新型キックスをベースに、汚れや水濡れを拭き取りやすい防水仕様のシートや、ブラックを基調に、溶岩をイメージした専用色「ラバレッド」をシート・ドアトリム・インストパッド・ステアリングへ配した内装、同じラバレッドをあしらった専用フロントプロテクターや専用アルミホイールをまとったカスタムカーです。グレード構成は次の4つで、駆動方式はFF(2WD)と、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を用いた4WDから選べます。
| グレード | 駆動方式 | 価格 |
|---|---|---|
| ロッククリーク(X) | 2WD | 348万5,900円 |
| ロッククリーク e-4ORCE(X e-4ORCE) | 4WD | 388万800円 |
| ロッククリーク ユーティリティスペック(X+) | 2WD | 399万6,300円 |
| ロッククリーク e-4ORCE ユーティリティスペック(X+ e-4ORCE) | 4WD | 430万9,800円 |
※ 価格は2026年8月20日発表時点の参考値です。
上位の「ユーティリティスペック」では、運転席パワーシートやリモコンオートバックドア、3Dビュー対応のアラウンドビューモニター、後側方の接近車両を検知する支援システム、前後録画対応のドライブレコーダーなどがまとめて装備されます。市街地からアウトドアのフィールドまで幅広い使い方を想定した仕様といえます。
新型キックスとは:6月にフルモデルチェンジしたばかりの2代目
今回のベースとなる新型(2代目)キックスは、2026年6月17日に発表・翌18日に発売されたばかりのモデルです。日本仕様の初代キックスは2020年6月に発売されており、今回のフルモデルチェンジは実に6年ぶりとなります。第3世代の「e-POWER」を搭載し、モデル初となる電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用したのが特徴です。グレードは最廉価の「Xシンプルパッケージ」・「X」・「X+」・最上級「G」の4系統に、2WDとe-4ORCEの4WDを組み合わせた計8グレード展開で、価格は最も安いXシンプルパッケージが299万9,700円からとなっています。
つまりロッククリークは、6月17日の新型キックス発表と同じ日に存在だけが先行公開され、今回8月20日に価格と発売日が確定した特別仕様です。ベース車の登場に合わせてアウトドア仕様を用意していたことになり、日産が新型キックスのラインアップ拡充を当初から織り込んでいたことがうかがえます。※ グレード数・価格は2026年6月時点の発表・報道による参考値です。
中古車市場への影響:初代キックスの相場は下押し圧力が続きやすい
ここからが中古車を検討している読者にとっての本題です。初代キックスは2020年6月に日本で発売されたコンパクトSUVで、6年を経て2代目へと世代交代が完了しています。今回のようにベース車種の展開が広がるニュースが続くこと自体は、初代キックスの査定・買い取り相場を直接押し下げる材料ではありませんが、新型への注目・話題が積み重なるほど、初代を検討する層の目が2代目に向きやすくなり、結果として初代の相場に下押し圧力がかかり続けやすい構図です。
初代キックスの相場は、当サイトのキックスの中古車相場ページに実数があります。2026年8月22日時点の流通台数は全体で1,187台・平均価格193万円ですが、この母数には2012年式の旧型(現行のコンパクトSUVとは別系統のモデル)94台と、2代目にあたる2026年式16台が混ざっています。記事が扱う初代(2020〜2025年式)に絞ると、1,077台・75万〜355万円の分布です。
| 年式 | 流通台数 | 価格帯 |
|---|---|---|
| 2025年式 | 154台 | 175万〜355万円 |
| 2024年式 | 94台 | 155万〜315万円 |
| 2023年式 | 121台 | 135万〜315万円 |
| 2022年式 | 155台 | 115万〜275万円 |
| 2021年式 | 388台 | 115万〜255万円 |
| 2020年式 | 165台 | 75万〜235万円 |
もっとも台数が多いのは2021年式の388台で、初代の在庫はこの年式を中心に積み上がっています。価格帯の下限は年式が古くなるほど下がり、2025年式の175万円に対して2020年式は75万円と、5年で100万円の開きがあります。走行距離でも傾向は同じで、全世代を合わせた1,187台のうちもっとも厚いのは5.0〜7.0万kmの帯(211台)です。
※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による2026年8月22日時点の参考値で、日々変動します(同日の前日比は40台減)。買い取り相場は年式・走行距離・グレード・車両状態で変わるため、手元の1台の金額は査定診断でご確認ください。
一方、2代目キックスはまだ発売から2カ月と日が浅く、中古車市場にまとまった台数が出回るのはこれからです。新型の新車価格帯(299万9,700円〜)に加えて、今回のロッククリーク(348万5,900円〜430万9,800円)という上振れした価格帯が示されたことで、キックスというモデル全体の新車価格レンジは299万円台から430万円台まで広がりました。
図のとおり、最も安いXシンプルパッケージからロッククリークの最上位グレードまで、130万円以上の価格差があります。この価格レンジの広がりは、将来的に2代目キックスの中古相場が形成されていく際の目安にもなるとみられます。中古のコンパクトSUVを予算重視で探している読者にとっては、この新車価格帯とあわせて初代キックスの査定額を見比べることで、割安さを判断しやすくなります。
当サイトの2026年7月の中古車相場動向で見たとおり、直近の中古車市場全体は中央値190万円前後で横ばいが続いています。今回のようにベース車種の展開が広がるニュースは、コンパクトSUV区分の中でキックスの存在感を高める材料にはなりますが、市場全体の値動きを動かすほどの規模ではなく、あくまで初代を検討する際の背景情報として捉えるのが実態に近いとみられます。
読者はどうすべきか
- 初代キックスを予算重視で検討中の方: 走行距離が増えるほど段階的に値下がりしやすい傾向があるため、走行距離と価格のバランスを見比べながら選ぶのがおすすめです。査定診断ツールで今の相場感を確認し、狙い目度マップで年式・走行距離ごとの割安ゾーンもあわせて見ておくと判断材料が増えます。
- 初代キックスの売却・下取りを検討中の方: 2代目のラインアップ拡充・話題化が続くほど、初代への関心が相対的に下がっていく可能性があるとみられます。早めに売却を検討している場合は、相場が大きく崩れる前に動くのも一案です。
- 新型キックス(2代目)・ロッククリークが気になる方: 発売から日が浅く中古の選択肢はまだ限られるため、当面は新車での検討が中心になりそうです。同クラスのコンパクトSUVとの価格差は車種比較ツールで確認できます。
まとめ
日産モータースポーツ&カスタマイズは2026年8月20日、新型キックスをベースにしたアウトドア仕様「ロッククリーク」を発表しました。価格は348万5,900円〜430万9,800円で、12月23日発売予定です。ベースとなる2代目キックスは今年6月にフルモデルチェンジしたばかりで、ロッククリークはその発表と同日に存在が先行公開されていた仕様です。今回価格と発売日が決まったことで、日産がこのモデルのラインアップ拡充を当初から織り込んでいたことがはっきりしました。初代キックスの相場を直接動かすニュースではないものの、2代目への注目が積み重なるほど初代への関心は相対的に下がりやすく、中古の初代キックスを検討している読者にとっては値下がり傾向が続きやすい局面といえそうです。