日産自動車は2026年9月3日、主力ミドルサイズSUV「エクストレイル」(T33型)の一部仕様変更モデルを発表し、同日発売しました(本稿執筆時点=2026年9月7日の情報。一次情報は2026年9月3日発表分で、発表から4日ほど経過しています)。今回はフルモデルチェンジではなく、外装の質感向上と装備の見直しを中心とした一部仕様変更で、パワートレインやボディ形状に変更はありません。価格は409万2,000円からで、上位グレードやAUTECH・ROCK CREEKといった特別仕様も対象に含まれます。結論から言うと、フルモデルチェンジではない一部仕様変更である以上、中古のエクストレイルを検討している読者に急な相場変動を促す材料ではありませんが、現行T33型がこの先も同じ骨格で販売され続ける見通しが強まったニュースとして受け止めるのが妥当です。

何が起きたか:Gグレードの19インチホイール刷新など

今回の一部仕様変更は、最新の法規要件への対応にあわせて、外装・装備を中心に見直したものです。主な変更点は次のとおりです。

  • Gグレード:幾何学的な切削パターンが特徴の新デザイン19インチアルミホイールを標準装備。ルーフレールとドアミラーを黒色化し、質感を高めました。
  • Xグレード:リヤサイドスポイラーと18インチアルミホイールを黒色化し、SUVらしいタフな印象を強調。リモコンオートバックドアが新たに標準装備となりました。
  • NISMO e-4ORCE:車載インフォテインメントシステム「Nissan Connect」を標準装備化しました。
  • AUTECH・ROCK CREEKシリーズ:同時に仕様が見直されています。
  • マルチベッド仕様:新たに「G e-4ORCE」ベースのグレードが追加されました。

価格帯は次のとおりです(消費税10%込み・2026年9月3日発表時点の参考値)。

グレード駆動方式価格
X2WD409万2,000円
X e-4ORCE(2列)4WD438万9,000円
G2WD465万3,000円
G e-4ORCE(2列)4WD495万円
X e-4ORCE(3列)4WD452万1,000円
NISMO e-4ORCE4WD575万4,100円
NISMO Advanced Package e-4ORCE4WD596万2,000円

AUTECH・ROCK CREEK・マルチベッドといったカスタムモデルは475万7,500円〜590万4,800円のレンジです。※ 価格は2026年9月3日発表時点の参考値です。

「エクストレイル 一部改良」とは:2022年デビューのT33型を年々磨き上げ

現行のエクストレイルは、2022年7月にフルモデルチェンジした4代目・T33型です。可変圧縮比エンジンを核とするハイブリッドシステム「e-POWER」と、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を組み合わせたパワートレインを軸に据えています。今回の変更は、外装の質感向上・一部グレードの装備追加・法規対応が中心という位置づけで、パワートレインやボディ形状に大きな変更はありません。

日産は2026年8月3日発表の2026年4-6月期決算で8四半期ぶりの最終黒字を計上しましたが、その黒字はコスト削減や円安など一時的な要因が主因で、新型車開発への投資を一気に加速できる状況ではないと指摘されています(詳細はこちらの記事で整理しています)。今回のように大きなモデルチェンジを伴わない仕様変更でT33型を手堅く磨き上げる進め方は、その状況とも整合的です。現行世代がしばらく大きなモデルチェンジなしで販売され続ける可能性が高いことを、あらためて裏付ける動きといえます。

中古車市場への影響:現行T33型の相場はどう動くか

当サイトのエクストレイルの中古車相場ページによると、2026年9月時点の流通台数は全体で3,159台・平均価格183万円、価格帯は50万〜470万円です(前日比+25台)。ただしこの母数には、2013年式以前の旧世代(T31型)や2014〜2021年式の先代(T32型)も含まれています。今回の対象である現行T33型(2022〜2026年式)に絞ると、次の分布になります。

年式流通台数価格帯
2026年式64台410万〜470万円
2025年式132台310万〜470万円
2024年式154台250万〜470万円
2023年式254台210万〜470万円
2022年式138台130万〜430万円

T33型だけで742台が流通しており、最も台数が多いのは2023年式の254台で、T33型全体の34%を占めます。価格帯の下限は年式が新しくなるほど上がっており、2022年式の130万円に対し2026年式は410万円からと、4年で280万円の開きがあります。

現行エクストレイル(T33型)の年式別流通台数

図のとおり2023年式の在庫が突出して厚く、初期ロットの3年落ちがちょうど中古市場に出回り始めている時期にあたります。今回の一部仕様変更はフルモデルチェンジではないため、この年式構成やT33型全体の相場を直接押し下げる材料にはなりません。一方で、Gグレードの19インチホイールやリモコンオートバックドアの標準装備化といった小さな装備差は、今後「改良前」と「改良後」の中古車を見比べる際の判断材料の一つになっていきます。改良前のG・Xグレードを中古で検討する場合は、ホイールデザインやバックドアの開閉方式が改良後と異なる点を踏まえて査定額を見るのがよいでしょう。

※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による2026年9月時点の参考値で、日々変動します。手元の1台の実際の査定額は査定診断でご確認ください。

読者はどうすべきか

  • 現行T33型を中古で検討している方:フルモデルチェンジではないため、相場が急変するリスクは低い局面です。装備差が生まれた「改良前」「改良後」の年式・グレードを見比べながら、査定診断ツールで現在の相場感を確認するとよいでしょう。
  • 予算重視でお得な年式を探している方:2022年式は価格帯の下限が130万円からと、T33型の中でもっとも手が届きやすい水準です。狙い目度マップで年式・走行距離ごとの割安ゾーンをあわせて確認してみてください。
  • 先代T32型・T31型との違いが気になる方:現行T33型とはパワートレイン構成が異なるため、単純な価格の安さだけで選ばず、e-POWERやe-4ORCEの有無も含めて車種比較ツールで見比べることをおすすめします。

まとめ

日産自動車は2026年9月3日、現行エクストレイル(T33型)の一部仕様変更モデルを発表し、即日発売しました。価格は409万2,000円からで、Gグレードの19インチホイール新デザイン化やリモコンオートバックドアの標準装備化など、外装の質感向上と装備の見直しが中心です。フルモデルチェンジではないため中古相場への直接的なインパクトは限定的とみられますが、日産が当面T33型を大きな変更なしで販売し続ける方針をあらためて示す動きといえます。現行T33型の中古車は742台が流通し、2023年式が254台と最多です。改良前後の装備差を踏まえつつ、年式・グレードごとの相場を見比べて検討するのがよさそうです。