JLR(旧ジャガー・ランドローバー)傘下の独立ブランド「レンジローバー」は2026年9月2日、ブランド史上初となるフル電動SUV「レンジローバー エレクトリック」を発表しました。118.5kWhの大容量電池を搭載し、航続距離はWLTPモードで最大372マイル(約599km)、350kWの急速充電器を使えば10分で最大125マイル(約201km)分を追加できるとしています。価格は受注開始時点で米国が13万8,000ドルから、英国が15万4,070ポンド(税込)からで、現行モデルより高い価格帯での投入となりました。日本での発売時期・価格は本稿執筆時点で未発表ですが、現行モデルはガソリン・PHEVともに国内で継続販売中であり、今回の発表が中古相場にどう波及しうるか、当サイトの実際の流通データとあわせて整理します。

※ 情報の鮮度について:一次情報は英JLR(ジャガー・ランドローバー)のグローバルニュースルームの公式発表(英国版・米国版とも2026年9月2日付、価格は米国13万8,000ドル・英国15万4,070ポンドと明記)です。米国の車両専門メディアElectrekも同日(現地時間2026年9月2日朝)に価格・仕様を報じており、両者は一致しています。発表から本稿公開時点(9月6日朝、経過約4日)まで解説の切り口で扱っています。

何が起きたか:レンジローバー史上初のフル電動SUV

レンジローバーは1970年の初代発売以来、ディーゼル・ガソリン・PHEVでラインアップを広げてきましたが、フル電動(BEV)モデルの投入は今回が初めてです。

時点内容
2026年9月2日「レンジローバー エレクトリック」を世界発表、受注受付を開始
発表時点米国13万8,000ドル・英国15万4,070ポンドからのMSRP/OTR価格を公表
未定日本での発売時期・価格・グレード構成
未定納車開始時期(受注は開始済み、納車時期は本稿執筆時点で未公表)

※ 時期・価格はJLR公式発表による参考値です。日本仕様の詳細は今後の発表を待つ必要があります。

新型はデュアルモーター(合計出力550PS・最大トルク850N・m)で四輪駆動とし、渡水深900mmや45度までの登坂性能など、レンジローバーらしいオフロード性能はEV化後も維持したとされています。電池には8年・10万マイル(約16万km)の保証が付き、北米ではテスラのスーパーチャージャー網にも対応します。発売は121カ国が対象とされていますが、国・地域ごとの価格やグレード構成の詳細は順次発表される見通しです。

価格を整理:現行モデルより高いフル電動グレード

米国価格は13万8,000ドルからです。英国では15万4,070ポンドからで、これは現行のガソリン・ディーゼルモデルより5万ポンド近く高い設定と伝えられています。

※ 為替レートは2026年9月上旬の参考値(1ドル=156円、1ポンド=213円程度)で換算すると、米国価格は円換算で2,150万円前後、英国価格は3,280万円前後の規模感です。実際の日本仕様価格は関税・仕様差により異なります。

参考までに、当サイトが把握している現行レンジローバー(ガソリン・PHEV)の国内新車価格帯は1,687万〜4,850万円です。フル電動グレードが実際に日本へ投入される場合、価格帯はこのレンジの上位寄りに位置づけられる可能性があるとみられますが、これはあくまで海外価格からの推測であり、確定情報ではありません。

現行「レンジローバー」の中古相場、実際の流通は

ここからが中古車を検討している読者にとっての本題です。当サイトのレンジローバーの中古車相場ページによると、2026年9月時点の流通台数は285台、価格帯は150万〜2,450万円、平均価格は1,216万円です。

中古レンジローバーの流通台数、年式ごとの分布

年式別では2012年式が84台ともっとも多く、全体の3割近くを占めます。これに2025年式42台、2024年式40台、2023年式33台、2021年式12台と、直近の新しい年式もまとまった台数が続きます。価格帯は年式差が非常に大きく、2012年式は150万〜2,450万円と幅広い一方、2025年式は1,690万〜2,450万円とハイエンド寄りで安定しています。走行距離帯で見ると1.0万〜2.0万km区間が48台ともっとも厚く、5.0万〜7.0万km区間も45台とまとまった台数があります。低走行の0.1万〜0.3万km区間は1,690万〜2,450万円である一方、15万km以上の高走行帯でも170万〜2,450万円と、状態やグレード差によって価格の幅がなお大きい状態です。

※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による2026年9月時点の参考値で、日々変動します。手元の1台の実際の査定額は査定診断ツールでご確認ください。

トヨタ「クラウン」の一部改良のケースと同様、新モデルの話題化そのものが現行中古相場を即座に動かすわけではありません。今回はフルモデルチェンジではなくパワートレインの追加であること、加えて日本での発売時期・価格が未確定であることから、現行の中古レンジローバー相場がただちに大きく動く材料ではないとみられます。ただし、フル電動グレードが現行モデルより高い価格帯で投入されたことは、当面ガソリン・ディーゼルモデルの相対的な割安感を後押しする可能性があります。

読者はどうすべきか

  • 中古のレンジローバーを検討している方: 流通の中心は2012年式(低価格帯の入門ゾーン)と2023〜25年式(高価格帯のハイエンドゾーン)に二極化しています。査定診断ツールで気になる個体の相場感を確認し、買い時診断ツールで狙い目のタイミングもあわせてチェックすると判断材料が増えます。
  • レンジローバーの売却・下取りを検討している方: 今回の発表による直接的な値動きは限定的とみられます。日本でのフル電動モデルの発売時期・価格が具体化する段階で相場が動く可能性はありますが、急いで動く材料ではなく、発表動向を一つの節目として見ておくとよさそうです。
  • 輸入SUVと比較したい方: BMW X7やアウディQ7など同クラスの輸入SUVとの比較は車種比較ツールで確認できます。現行レンジローバーの中古平均1,216万円は、当サイトが把握する現行新車価格帯(1,687万〜4,850万円)の下限をさらに下回る水準です。

まとめ

  • レンジローバーは2026年9月2日、ブランド史上初のフル電動SUV「レンジローバー エレクトリック」を発表しました
  • 価格は米国13万8,000ドル・英国15万4,070ポンドからで、英国では現行のガソリン・ディーゼルモデルより5万ポンド近く高い水準と伝えられています
  • 日本での発売時期・価格・グレード構成は本稿執筆時点で未発表です
  • 現行の中古レンジローバー相場(流通285台・平均1,216万円)は、フルモデルチェンジではないこと・日本発売までなお時間があることから、ただちに大きく動く材料ではないとみられますが、電動グレードが現行モデルより高い価格帯で投入されたことで、ガソリン・ディーゼルモデルの相対的な割安感は当面続くとみられます

なお、実際の中古車取引価格は車両状態・年式・グレード・地域によって変動します。売却を検討している方は、複数社で査定を取ると相場より高くなることもあります。