三菱自動車は2026年10月9日、ミニバン「デリカD:5」の2026年度上期(4〜9月)の国内販売台数が、前年同期比24%増の1万6,798台になったと発表しました。2007年1月の発売以降、上期としては2期連続で過去最高です。結論から言うと、発売19年目のモデルがこれだけ売れている以上、中古のデリカD:5は当面、値崩れしにくいとみられます。中古で買う方は「待てば安くなる」と考えにくく、売る方は相場が崩れる前に動くかどうかを考える局面です。
※ 情報の鮮度について:一次情報は、三菱自動車が2026年10月9日に出したニュースリリースです。発表から4日ほどたっているため、速報ではなく「この記録が中古の相場と買い時に何を意味するか」を整理する構成にしています。販売台数は、同社のリリースと、同日付のCar Watch(11時43分掲載)・carview!の記事で一致を確認しています。中古車相場はikura-cars.com調べ(2026年10月時点)の参考値です。
デリカD:5の上期販売が過去最高とは 何が発表されたのか
発表の要点は次のとおりです。販売台数は、日本自動車販売協会連合会の集計によるものです。
- 2026年度上期(2026年4〜9月)の販売は1万6,798台で、前年同期比24%増
- 2007年1月の発売以降、上期の販売台数として過去最高を更新。2期連続の記録
- 2020年度上期以降、6年連続で前年同期を上回った
- 2025年度は通年でも過去最高を記録しており、その勢いが続いている
- 累計販売は、デリカD:5だけで19年間に31万台超。1968年に始まったデリカ全体では約140万台
前年同期比24%増から逆算すると、前年の上期は約1万3,500台とみられます(24%は丸めた数字のため、前後100台ほどの幅があります)。今期の1万6,798台を6カ月で割ると、1カ月あたり約2,800台のペースです。
三菱自動車は、需要の背景として次の点を挙げています。
- SUVの人気とアウトドアへの関心の高まり
- SUVのような走破性と、ミニバンの快適さ・使い勝手を併せ持つこと
- 2026年の改良で強めたSUVらしいデザインと、4輪の駆動力を統合制御する「S-AWC」の安心感が、新規の購入者と、これまでデリカに乗ってきた方の双方に評価されていること
この「大幅改良」は、2026年1月9日に発売された改良モデルを指します。新車価格は、Gが451万円、G-Power Packageが474万6,500円、Pが494万4,500円です(いずれも税込)。改良後の流れは、以前の記事「三菱「デリカD:5」に2.1万台リコール 新採用の液晶メーター不具合、中古選びの注意点」でも整理しています。
数字で見る中古のデリカD:5 平均307万円・流通3,146台
当サイトの相場データでは、2026年10月時点で、デリカD:5(全世代・全グレード合算)の流通は3,146台、平均価格は307万円、価格帯は40万〜560万円です。新車のGが451万円なので、中古の平均は新車の最廉価より約144万円低い水準です。
年式別の流通台数と価格帯は次のとおりです。
| 年式 | 流通台数 | 価格帯 |
|---|---|---|
| 2026年式 | 364台 | 60万〜560万円 |
| 2025年式 | 275台 | 340万〜560万円 |
| 2024年式 | 473台 | 280万〜560万円 |
| 2023年式 | 156台 | 320万〜560万円 |
| 2022年式 | 144台 | 280万〜560万円 |
| 2021年式 | 186台 | 160万〜520万円 |
| 2020年式 | 81台 | 240万〜500万円 |
| 2019年式 | 226台 | 60万〜500万円 |

2026年式・2025年式・2024年式の3年式だけで1,112台あり、全体の約35%を占めます。直近3年式の中古は、新車の価格(451万〜494万円)と重なる水準まで価格帯が伸びています。2026年式から2022年式のいずれも、2022〜2026年式の価格帯の上限は560万円で、新車の最上位(494万4,500円)を上回っています。これは、新車の納期を待てない買い手が、新古車や低走行車に上乗せ価格を払っていることを示す数字とみられます。
走行距離別では、走行0.1万km未満の車が409台で、価格帯は380万〜560万円です。一方で、10万〜15万kmは555台、15万km以上は223台で、価格帯は40万〜480万円まで広がります。距離がかなり伸びた個体でも、480万円までの価格がついている点は、デリカD:5の特徴です。
※ 数値は当サイト独自集計による2026年10月時点の参考値です。年式は登録上の年式で、実際の取引価格は車両状態・地域・時期により変動します。
中古車市場への影響 9月から流通はどう動いたか
前月の記事で使った数字(2026年9月時点)と比べると、流通台数は3,219台から3,146台へ、平均価格は309万円から307万円へと、ほぼ横ばいでした。年式別では、2026年式が302台から364台へ増え、2025年式が338台から275台へ、2024年式が486台から473台へ減っています。
年式別の入れ替わりは、新しい年式の車が新たに中古市場へ出る一方、前の年式の車が売れて在庫から外れている動きを映しているとみられます。売れ行きが良ければ在庫が回転する、という構図です。
新車が好調なモデルの中古は、次の2つの理由で値崩れしにくくなります。
- 新車の納期が長いと、中古に需要が回る。 新車を待てない買い手が、新古車や低走行車に流れる
- 下取りに出る台数が増えにくい。 乗り換えの動機が弱く、手放す人が少ない。市場に出る台数が増えなければ、供給は膨らまない
なお、今回の発表資料には、受注の状況や新車の納期は載っていません。納期の長さが相場を押し上げているかどうかは、この発表だけでは確認できません。ここは見通しではなく「確認できていない点」として整理しておきます。
買い時の見通し 待つ価値は大きくないとみられる
見通しを条件付きで整理します。
- 当面の相場は、横ばいから高止まりとみられます。 販売の勢いが続く間は、中古の供給も需要も大きく崩れる材料が見当たりません。新車が6年連続で前年を上回っている以上、「発売から19年たったから下がる」という見方は当てはまりにくいです
- 下がるとすれば、新型への切り替えの局面です。 2026年1月の大幅改良は、まだ1年たっていません。次の大きな動きが出るまでは、相場の前提は変わりにくいとみられます
- ただし、年式で動きは分かれます。 2026年式は流通が増えているため、条件の良い個体を選びやすくなってきました。2019年式のように走行距離が伸びた個体は、価格帯が60万〜500万円と広く、同じ年式でも価格差が大きいです
読者のアクション
- 中古のデリカD:5を探している方:価格が大きく下がるのを待つ戦略は、取りにくい局面です。予算が決まっているなら、年式を1〜2つ下げて、2022〜2024年式の280万円台〜を探す方法があります。買い時マップで、年式ごとの割安なゾーンを確認できます
- 新車と中古で迷っている方:新車のGは451万円、中古の平均は307万円で、約144万円の差があります。新車は納期を、中古は価格の上乗せを払うことになります。車種比較ツールで、総額を並べて確認してください
- デリカD:5を持っていて、売却を考えている方:相場が堅調な今は、売却に向く時期とみられます。走行距離が伸びていても、40万〜480万円の幅で値がつく車種です。リセール予測で将来の価値の目安を確認し、複数の見積もりを比べてください
- リコール対象かもしれない中古車を検討している方:2026年の改良後の車は、メーターのリコール対象に入る場合があります。購入前に、対策済みかどうかを販売店で確認してください
三菱自動車の直近の動きは、「三菱「パジェロ」新型を世界初公開、タイ生産で世界100カ国展開へ 中古旧型の相場は」でも取り上げています。ミニバン全体の見方は、「アルファードの中古車相場、いま本当はいくら?世代で約220万円の差【2026年版】」が参考になります。
まとめ
- 三菱自動車は2026年10月9日、デリカD:5の2026年度上期の販売が1万6,798台(前年同期比24%増)で、上期として2期連続の過去最高になったと発表しました
- 中古は流通3,146台・平均307万円・40万〜560万円(2026年10月時点)。9月の3,219台・平均309万円から、ほぼ横ばいです
- 新車の勢いが続く間は、中古も高止まりが続くとみられます。待てば安くなるとは考えにくい局面です
- 買う方は年式を1〜2つ下げる選択肢を、売る方は相場が堅調な今のうちの見積もり比較を、検討する価値があります
実際の取引価格は、個体の状態や地域によって変動します。売買のタイミングは、最新の相場とあわせて確認してください。