「アルファードって、こんなに高かったっけ?」

中古車を探していて、そう思った方はきっと多いはずです。実は編集部でも、今回あらためて最新のデータを並べてみて、ちょっと言葉に詰まりました。高いのは知っていたのですが、想像していたのと違う形で高かったんです。

キーワードは「世代」です。アルファードは年式がひとつふたつ違うだけの話ではなく、世代がまたぐと、ほとんど別のクルマみたいに値段が変わります。当社独自の市場分析をもとに、いま何にいくら払うことになるのかを、できるだけ正直に整理してみます。

結論から言うと、40系は600万円台、それ以前は300万円台後半

先に結論だけまとめておきますね。

  • 2023年式以降(現行の40系)はだいたい610〜640万円
  • 2022年式以前になると、ぐっと下がって約390万円
  • つまり世代の間に、200万円を超える段差がある
  • 流通しているのは3万km未満の高年式がほとんど。全体の7割くらい
  • 走行3万km未満と3〜5万kmでは、約70万円の差

予算が600万円に届かないなら、正直なところ現実的な選択肢は2022年式以前になります。この前提を知らずに探し始めると、たぶんずっと「いい出物がない」という気持ちになってしまうはずです。

現行40系(2023年式〜)は、まだ高値のままです

まず現行モデルの年式別の相場から。走行距離の中央値も並べてみました。

年式価格の中央値(参考値)走行距離の中央値
2026年式約660万円ほぼ未走行
2025年式約610万円約7,000km
2024年式約600万円約1.8万km
2023年式約620万円約2.1万km

……お気づきでしょうか。新しいほど高い、という素直な並びになっていません。2024年式より2023年式のほうが、なぜか少し高いんです。

これ、データの間違いではありません。アルファードという車種の性格がそのまま出ています。アルファードはグレードによる価格差がとにかく大きくて、新車でも500万円台から始まって上級グレードは1,000万円を超えます。だから、そのとき市場に出ている個体のグレード構成が少し変わるだけで、真ん中の値が数十万円動いてしまうんですね。

なので40系を狙うなら、「何年式か」より「どのグレードか」で見たほうが、たぶん納得のいく買い物になります。年式1年分の差より、グレードひとつ分の差のほうがずっと大きいので。

いちばん大きな分かれ目は、40系かそれ以前か

年式でも走行距離でもなく、アルファード選びで最初に決めるべきはここだと思います。

年式帯ごとの価格の中央値

2026年7月/参考値・万円

2025年式以降約640万円
2023〜2024年式約610万円
2022年式以前(先代30系が中心)約390万円

上2本はほとんど同じ長さなのに、いちばん下だけ大きく短くなります。年式を1年ずつたどるより、世代をまたぐかどうかで決まる、というのが見た目にも出ています。

2022年式以前は主に先代の30系ですが、中央値は約390万円。現行との差は220万円前後です。1世代でこの差は、正直かなり大きいほうだと思います。

40系はプラットフォームから作り直された全面刷新モデルで、内外装の雰囲気もがらっと変わりました。人気も新しい世代に集中しています。数字を見ていると、その熱がそのまま値段に乗っているのがよくわかります。

ただ、これは裏を返せばの話でもあって。先代がいちばん割安に見えるゾーンでもあるんですよね。装備の新しさは現行に譲るとしても、広さや快適さというアルファードらしさは、先代にもちゃんとあります。

ここは注意:「アルファードの相場、下がってきた」は半分ハズレです

今回いちばんお伝えしたいのが、ここです。

アルファード全体の価格の中央値を月ごとに並べると、5月が約630万円、6月が約610万円、7月が約580万円。3か月で8%ほど下がっています。この数字だけ見たら「そろそろ買い時かも」と思いますよね。私たちも一瞬そう思いました。

でも、年式帯ごとに分けて同じ期間を見ると、景色がまったく変わります。

年式帯5月6月7月
2025年式以降約650万円約650万円約640万円
2023〜2024年式約630万円約620万円約610万円
2022年式以前約330万円約340万円約390万円

どこも、そんなに下がっていません。2022年式以前にいたっては上がっています。

じゃあなぜ全体は下がったのか。答えは「値段が下がった」ではなく、並んでいる車の顔ぶれが変わったからです。

言葉だけだと分かりにくいので、図にしてみました。帯の横幅がその年式帯の割合、帯の中の数字がその年式帯の中央値です。

流通している車の構成と、それぞれの中央値

帯の幅=割合/中の数字=その層の中央値

5月全体の中央値 約630万円
650万34%
630万35%
330万31%
7月全体の中央値 約580万円
640万30%
610万32%
390万38%
2025年式以降 2023〜2024年式 2022年式以前

中の数字(各層の中央値)はほとんど動いていないのに、黒い帯=価格の安い2022年式以前が右に伸びています。この幅の変化だけで、右端の「全体の中央値」は50万円下がります。

この3か月で、価格の安い2022年式以前の割合が増えて、価格の高い2025年式以降の割合が減りました。1台1台が安くなったのではなく、安い層が増えたぶん、全体の真ん中の値だけが下にずれた、というわけです。

こういうことは、車種全体の平均や中央値だけを見ていると、けっこう起こります。「値下がりが始まった」と思って動いたら、実際には狙っていた年式の相場はびくともしていなかった、なんてことにもなりかねません。相場は年式と走行距離の組み合わせで見るのが基本です。当サイトの狙い目度マップが、わざわざマス目で相場を出しているのはこのためだったりします。

実は今、ヴェルファイアのほうが高いんです

昔は「アルファードが上級で、ヴェルファイアは弟分」というイメージがありました。でも現行世代では、立場が入れ替わっています。

車種(走行3万km未満)価格の中央値(参考値)
ヴェルファイア約670万円
アルファード約610万円

同じ走行距離帯で比べて、ヴェルファイアのほうが60万円ほど高いという結果でした。現行のヴェルファイアはスポーティな上級ラインとして位置づけられていて、グレード構成も上に寄っているためです。

つまり、顔つきの好みで選んだつもりが、気づけば予算が60万円変わっている。どちらも候補に入っている方は、装備の差と価格の差を並べて見てから決めたほうがいいと思います。2車種の相場を横並びにするなら車種比較が使えます。

走行距離には「3万kmの壁」があります

走行距離帯価格の中央値(参考値)
3万km未満約610万円
3〜5万km約540万円

3万km未満から3〜5万kmまで条件を広げると、約70万円下がります。年式でいうと1〜2年分くらいの差ですね。

ただ、ここで気をつけたいことがひとつ。5万kmを超えると、そもそも玉数がぐっと減ります。アルファードの中古車市場は3万km未満に7割くらいが集中していて、「距離を伸ばせばどんどん安くなる」という素直な市場ではないんです。距離を条件に加えた瞬間、選べる個体が一気に少なくなります。

高年式・低走行にここまで偏るのは、リセールが高くて短いサイクルで乗り換える方が多い、というアルファードならではの事情があるからでしょう。

予算別に、現実的な話をします

予算現実的な選択肢
〜400万円2022年式以前が中心。装備の差を許せるかどうか
400〜550万円2022年式以前の高年式・低走行、または40系で条件を妥協した個体
600万円〜現行40系。グレード次第で大きく変わるので装備の見極めを

「アルファードに乗りたい」だけなら400万円前後から道はあります。でも「現行の40系に乗りたい」となると、やっぱり600万円台が現実的なラインです。

ここを分けずに探すと、条件がいつまでも噛み合いません。先に予算から候補を絞ってしまったほうが早いこともあるので、そんなときは予算別おすすめもどうぞ。

中古で見るとき、編集部が気にしているところ

金額が大きいぶん、個体選びの丁寧さがそのまま支払額の差になって返ってきます。気になるポイントを4つだけ。

  1. グレードと装備 — 同じ年式でもグレードで数百万円動きます。シート、後席モニター、サンルーフあたりは「その価格差の中身」を必ず確認したいところ。
  2. カスタムの程度 — ローダウンやエアロ、大径ホイールは好みが分かれます。売るときに評価されないこともあるので、ノーマルに戻せるかどうかも見ておくと安心です。
  3. どう使われていたか — 大人数の送迎や長距離で使われた個体は、走行距離のわりに内装やスライドドアが疲れていることがあります。
  4. 修復歴 — 車両価格が高いぶん、修復歴の有無で開く金額も大きくなります。

まとめ

  • 現行40系は約610〜640万円、2022年式以前は約390万円。世代の間に220万円前後の段差
  • 40系は年式よりグレードで値段が動く。年式の逆転もふつうに起きる
  • 全体の中央値は3か月で8%下がったけれど、それは顔ぶれが変わっただけ。年式帯ごとに見ればほぼ横ばい
  • 現行世代はヴェルファイアのほうが約60万円高い
  • 走行3万km未満から3〜5万kmで約70万円下がる。ただし5万km超は玉数が激減

アルファードは、車種名だけで相場を語ろうとすると必ずどこかで話がずれるクルマだなと、今回あらためて思いました。年式 × 走行距離でどこが割安なのかは、狙い目度マップで確かめてみてください。ヴェルファイアと迷っているなら、車種比較で差額を数字にしてから決めると、気持ちの整理もつきやすいはずです。

本記事の数値は直近30日の市場データに基づく参考値です。一定のサンプル数(10台以上、多くは30台以上)を確保した項目のみを掲載しています。実際の取引価格は、グレード・装備・車両状態・地域により変動します。