三菱自動車工業は2026年9月10日、ミニバン「デリカD:5」21,584台(型式3DA-CV1W、2025年12月23日〜2026年7月27日に製作)について、コンビネーションメーターの不具合でリコールを国土交通省に届け出ました(本稿執筆時点=2026年9月12日の情報。一次情報は国土交通省の届出資料および同日付のMONOist・共同通信配信記事です)。エンジンスイッチをONにしても液晶ディスプレイが表示されないことがあり、速度計や警告灯などが確認できなくなるおそれがあるという内容です。対象期間は、S-AWC(4WD統合制御)とデジタルメーターを新採用した2026年1月の大幅改良後の生産のほぼ全期間にあたります。中古でデリカD:5を検討している方が押さえておきたいポイントを整理します。

デリカD:5のリコールとは:届出の中身

国土交通省への届出資料および三菱自動車の公表内容によると、今回のリコールの概要は次の通りです。

  • 対象車両:デリカD:5(型式3DA-CV1W)21,584台
  • 製作期間:2025年12月23日〜2026年7月27日
  • 不具合内容:コンビネーションメーターについて、開発時における制御プログラムの検討が不十分だったため、エンジンスイッチの電源モードON時に液晶ディスプレイが表示されないことがある。そのため速度計や警告灯などが確認できなくなるおそれがある
  • 不具合の申告件数:20件(事故・けがの報告なし)
  • 改善措置:対象車両すべてについて、コンビネーションメーターの制御プログラムを対策仕様に書き換える。部品交換は不要で、費用は無償

原因はハードウェアの欠陥ではなく、ソフトウェアの作り込み不足(制御プログラムの検討不足)とされています。ディーラーでの再プログラミングのみで解消できる内容で、部品の入荷待ちが発生しにくい種類の不具合です。

なぜ今回なのか:新採用したばかりのデジタルメーターが対象

このコンビネーションメーターは、今回のリコール対象期間の起点でもある2026年1月9日の大幅改良で新たに採用されたものです。三菱自動車の発表によれば、この改良でデリカD:5は次のように変わりました。

  • 走行性能:四輪を統合制御するS-AWCを新搭載し、ECO/NORMAL/GRAVEL/SNOWの4つのドライブモードを設定
  • メーター:8インチカラー液晶のディスプレイメーターを採用(従来は非搭載)
  • 内装:金属調アクセント・上級グレードのスエード調シート表皮・USB Type-Cポートを追加
  • 外装:フロントグリル・フロント/リヤバンパー・ホイールアーチモールを刷新
  • 安全装備:衝突被害軽減ブレーキの自転車検知に対応、マルチアラウンドモニターを強化
  • 価格(7人/8人乗り共通):Pグレード494万4,500円、G-Power Package474万6,500円、G451万円

つまり今回のリコールは、この大幅改良の目玉のひとつだった新装備そのものに不具合が見つかった形です。対象の生産期間(2025年12月23日〜2026年7月27日)は、この大幅改良モデルが発売された2026年1月9日をまたいでほぼ全量をカバーしており、新デザイン・新装備の初期生産分に不具合が集中しやすいという、モデルチェンジ直後によく見られるパターンにあたります。なお三菱自動車は同日、デリカD:5のブレーキオートホールド機能についても別件のリコールを届け出ており、新装備まわりの不具合が同時期に重なった点も押さえておきたいところです(この2件目は本稿執筆時点で対象台数などの詳細を確認できておらず、本稿では踏み込みません)。

中古車市場への影響:実数で見る対象範囲

ここからが中古車を検討している読者にとっての本題です。当サイトの相場データでは、2026年9月時点でデリカD:5(全世代・全グレード合算)は流通3,219台・平均価格309万円、価格帯は40万〜560万円です。年式別では次の通りです(2007年式以降の全年式のうち直近5年式を抜粋)。

年式流通台数価格帯
2026年式302台60万〜560万円
2025年式338台340万〜560万円
2024年式486台280万〜560万円
2023年式172台300万〜560万円
2022年式151台280万〜500万円

※ 年式は登録上の年式であり、今回の対象生産期間(2025年12月23日〜2026年7月27日)とは数か月単位のずれが生じ得るため厳密な一致ではありませんが、このうち2026年式の302台が今回のリコール対象におおむね重なる中古在庫とみられます。※数値は当サイト独自集計による2026年9月時点の参考値です。

今回の不具合は無償のソフトウェア書き換えで解消でき、事故・けがの報告もありません。したがって対象であること自体が車両価値を大きく損なう性質のものではなく、納車前に対策プログラムへの書き換えが完了しているかを確認する手続き上のポイントと捉えるのが実態に近いとみられます。

読者はどうすべきか

  • 大幅改良後(2026年式)のデリカD:5を中古で検討中の方:製作期間(2025年12月23日〜2026年7月27日)に該当しそうな個体であれば、購入前に販売店へ車台番号を伝え、コンビネーションメーターの対策プログラムへの書き換えが完了しているかを確認しましょう。未対応でも無償・短時間で書き換えできる内容なので、契約前に対応時期を確認しておけば大きな支障にはなりません。査定診断ツールで現時点の相場感を確認しておくと判断材料になります。
  • 新装備の初期不具合を避け、実績のある個体を選びたい方:S-AWCと新デジタルメーターを採用する前の2022〜2024年式は合計809台が流通しており、価格帯も280万円台からと大幅改良後より抑えめです。装備の新しさよりも実績を優先するなら、こちらも有力な選択肢です。車種比較ツールで同クラスのミニバン・SUVとの価格差もあわせて確認できます。
  • 売却を検討している現行オーナーの方:今回の不具合は無償修理で解消でき、相場全体を大きく動かす材料ではないとみられますが、リセール予測ツールで今後の下取り想定額の目安を確認しておくと安心です。同じ三菱の新型車として話題になった新型「パジェロ」の一次情報もあわせてご覧ください。

リコール対象かどうかは、車台番号(車検証に記載)をもとに三菱自動車の公式サイトまたは正規ディーラーの窓口で確認できます。中古車販売店で商談する際も、対象期間に該当しそうな個体であれば、その場で対応状況の照会を依頼して問題ありません。

まとめ

三菱自動車は2026年9月10日、デリカD:5の21,584台について、コンビネーションメーターが表示されなくなるおそれがあるとしてリコールを届け出ました。原因はソフトウェアの作り込み不足で、対策は制御プログラムの無償書き換えです。対象期間は2026年1月の大幅改良で新採用されたS-AWCとデジタルメーターの生産初期にほぼ重なっており、新装備まわりでの不具合という側面があります。事故・けがの報告はなく無償修理で解消できるため、相場全体への影響は限定的とみられますが、大幅改良後の個体を中古で検討する際は、納車前に対策プログラムへの書き換え状況を確認しておくと安心です。