ダイハツ工業は2026年9月10日、軽乗用車「ムーヴ」と、スバルへOEM供給している姉妹車「ステラ」について、シートカバーおよび前席ドアアームレストの内装材が、燃焼試験の基準より速い速度で延焼するおそれがあるとして、合計1万91台のリコールを国土交通省に届け出ました(本稿執筆時点=2026年9月14日の情報。一次情報は国土交通省の届出資料〈2026年9月10日付〉、ダイハツ工業とSUBARUそれぞれの公式リコール情報ページです。届出から本稿公開までの経過時間は保守的に見て104時間前後で、72〜120時間帯にあたるため、速報ではなく内容の整理を中心にお伝えします)。事故やけがに直結する走行系の不具合ではありませんが、中古でムーヴ・ステラを検討している方が押さえておきたいポイントを整理します。

ムーヴ・ステラのリコールとは:届出の中身

国土交通省への届出資料、ならびにダイハツ工業・SUBARUそれぞれの公式発表によると、今回のリコールの概要は次の通りです。

  • 対象車両:ダイハツ「ムーヴ」9,503台+スバル「ステラ」588台の合計1万91台(4型式・2車種)
  • 製作期間:2025年5月19日〜2025年8月29日
  • 不具合内容:シートカバーおよび前席ドアアームレストの特定の内装材について、表皮の加工方法の検討が不十分だったため、燃焼試験を行った際に保安基準に定められているよりも速い速度で延焼するものがあり、保安基準に適合していないおそれがある
  • 不具合件数・事故の有無:0件・事故報告なし(発見の動機は仕入先からの情報による)
  • 改善措置:対象車両すべてについて車台番号を確認したうえで、①シートカバーを対策品に交換しドアアームレストを良品に交換する、または②ドアアームレストのみを良品に交換する、のいずれかを実施(いずれも無償)
  • 改善措置の開始日:2026年9月11日
  • リコール届出番号:5874

型式別の内訳は次の通りです。

メーカー・車種型式対象台数
ダイハツ ムーヴ5BA-LA850S8,078台
ダイハツ ムーヴ5BA-LA860S1,425台
スバル ステラ5BA-LA850F398台
スバル ステラ5BA-LA860F190台

※台数・型式・製作期間はダイハツ工業およびSUBARUの公式リコール情報ページによる。

リコール対象台数の内訳:ダイハツ ムーヴ9,503台、スバル ステラ588台、合計1万91台

なぜ起きたか:内装材の難燃性が基準に届かなかった

自動車の内装材には、車室内で万一の火災が起きた際に燃え広がる速度を抑えるための燃焼試験基準が設けられています。今回の不具合は、シートカバーと前席ドアアームレストに使われている特定の内装材について、表皮の加工方法の検討が不十分だったため、この燃焼試験で基準より速い速度で延焼するものがあったという内容です。ブレーキやステアリングなど走行に直結する装置の不具合ではなく、対象期間もムーヴ・ステラ全体の生産期間のうち2025年5月19日〜8月29日の約3カ月半に限られています。改善措置は部品交換(シートカバー・ドアアームレスト)で対応でき、費用は無償です。

対象となるムーヴ(5BA-LA850S/LA860S)は、後席スライドドアを初採用するなど全面刷新して2025年6月5日に発売された7代目の現行モデルです。姉妹車のステラ(5BA-LA850F/LA860F)も、ダイハツからのOEM供給として同年6月12日に発売されています。今回の対象生産期間(2025年5月19日〜8月29日)は、この現行世代の発売直前から発売直後にかけての立ち上げ期の生産分にあたり、モデルチェンジ直後の生産初期ロットに不具合が集中しやすいという、新型車でよく見られるパターンに当てはまります。

中古車市場への影響:現行世代の相場は

当サイトの相場データでは、2026年9月時点でダイハツ ムーヴ(全世代合算)は流通7,942台・平均価格95万円、価格帯は15万〜415万円です。現行世代にあたる2026年式は519台流通しており、価格帯は75万〜255万円。前世代を含む最多流通の2025年式は2,595台で、価格帯は95万〜255万円です。一方、スバル ステラ(全世代合算)は流通797台・平均価格51万円、価格帯は10万〜410万円で、現行世代の2025・2026年式は130万〜210万円の価格帯となっています。※数値は当サイト独自集計による2026年9月時点の参考値です。

今回の対象期間(2025年5月19日〜8月29日)に製作された個体は、登録から1年前後の比較的新しい中古車として市場に出回り始めている時期にあたります。走行距離が少なく年式も新しいため、認定中古車や短期使用の乗り換え車として流通しやすい層と重なります。不具合自体は内装材の難燃性というグレード・年式に紐づく限定的なもので、対策も無償の部品交換で完了するため、対象であることが車両価値そのものを大きく損なう性質のものではないとみられますが、購入前の確認事項としては押さえておく必要があります。

読者はどうすべきか

  • 中古でムーヴ・ステラを検討中の方:製作期間(2025年5月19日〜8月29日)に該当しそうな比較的新しい個体であれば、車台番号(車検証に記載)を控え、ダイハツ工業またはSUBARUの公式サイト・正規ディーラーの窓口で改善措置の実施状況を確認しましょう。未実施でも無償の部品交換で解消できる内容なので、契約前に対応時期を確認しておけば大きな支障にはなりません。査定診断ツールで現時点の相場感もあわせて確認しておくと判断材料になります。
  • 対象期間より前の個体を選びたい方:2025年5月より前に製作された個体であれば今回のリコール対象外です。年式・グレードだけでなく製作時期も確認したい場合は、販売店に車台番号での照会を依頼すると確実です。車種比較ツールで同クラスの軽乗用車との価格差もあわせて確認できます。
  • すでにムーヴ・ステラを所有していて売却を検討している方:改善措置実施済みであることは車両の整備状況を示す材料になります。リセール予測ツールで今後の下取り想定額の目安を確認しつつ、点検整備記録簿に対策実施の記載があるかもあわせて確認しておくとよいでしょう。

なお同じ2026年9月10日には、日産・いすゞの「キャラバン」「コモ」のブレーキ関連の改善対策(関連記事)や、三菱「デリカD:5」のメーター不具合によるリコール(関連記事)も同日付で国土交通省に届け出られています。同じ日にメーカーの異なる複数のリコール・改善対策が集中することは珍しくなく、中古車選びでは車種ごとに個別の対象範囲を確認することが基本になります。

リコールの対象かどうかは、車台番号をもとにダイハツ工業またはSUBARUの公式サイト、あるいは正規ディーラーの窓口で確認できます。中古車販売店で商談する際も、対象期間に該当しそうな個体であれば、その場で対応状況の照会を依頼して問題ありません。

まとめ

ダイハツ工業は2026年9月10日、「ムーヴ」と姉妹車「ステラ」について、シートカバー・前席ドアアームレストの内装材が燃焼試験の基準より速く延焼するおそれがあるとして、合計1万91台のリコールを国土交通省に届け出ました。対象期間は2025年5月19日〜8月29日の約3カ月半と限定的で、改善措置は無償の部品交換で完了します。対象個体は登録から1年前後の比較的新しい中古車として市場に出回り始めている時期にあたるため、現行世代のムーヴ・ステラを中古で検討する際は、製作時期に該当しそうであれば車台番号で対応状況を確認しておくと安心です。