株式会社SUBARUは2026年9月24日、「フォレスター」と「クロストレック」計379台を対象に改善対策を国土交通省へ届け出ました(本稿執筆時点で届出から4日程度が経過。一次情報は国土交通省2026年9月24日付の届出資料)。パーキングレンジでギアをロックする部品に亀裂が生じるおそれがあり、最悪の場合パーキングロック機能を失う可能性がある不具合です。対象は2026年6月10日から20日にかけて製造されたごく短い期間の車両に限られており、現行フォレスター・クロストレックを新車・中古車で検討している読者が押さえておきたいポイントを整理します。

何が起きたか:パーキングポウルの支持部にクラック

国土交通省の届出資料によると、不具合の部位は動力伝達装置(トランスアクスル)です。トランスアクスル内の「インターミディエイトケース」という部品について鋳造金型のメンテナンスが不適切だったため、Pレンジでギアをロックする「パーキングポウル」の支持部にクラックが発生しているものがあるとされています。このまま使用を続けると、使用過程でパーキングポウルの支持部が破損し、最悪の場合Pレンジでのパーキングロック機能が失われるおそれがあるとされています。

対応としては、対象となる全車両のトランスアクスルを点検し、インターミディエイトケースにクラックが確認された車両はトランスアクスルを良品に交換します。届出資料では不具合件数・事故ともに0件で、発見の動機は「社内情報による」と記載されており、市場からの苦情ではなく、SUBARU社内の品質確認で見つかった不具合です。対象ユーザーへはダイレクトメール等で通知するほか、整備事業者向けには日整連発行の機関誌への掲載、SUBARU公式サイトへの掲載を予定しています。

対象車種と製作期間

対象は2車種・2型式、計379台です。

車種型式車台番号の範囲製作期間対象台数
フォレスター5AA-SLGSLG-022430〜SLG-0231072026年6月10日〜6月20日269台
クロストレック5AA-GUFGUF-026178〜GUF-0263652026年6月10日〜6月16日110台

※ 車台番号の範囲には対象とならない車両も含まれる場合があるとされています。該当の可能性がある車両は、車台番号でSUBARUまたは国土交通省のリコール情報検索で確認できます。

「改善対策」と「リコール」は何が違うのか

国土交通省への届出という点では、改善対策もリコールも同じ枠組みで扱われます。同省が公開している定義では、リコールは「保安基準に適合していない、または適合しなくなるおそれがある状態で、原因が設計または製作過程にある」場合に自動車メーカーが行う措置とされています。改善対策は、保安基準への抵触までは至らないものの、安全上の観点からメーカーが自主的に無料修理を行い、リコールと同じく国土交通省へ正式に届け出る制度です。今回のフォレスター・クロストレックの措置は、この改善対策として扱われています。いずれも費用はメーカー負担で、ユーザー側の自己負担は発生しません。

中古フォレスター・クロストレックへの影響

現行フォレスターは2025年4月17日に発表された第6世代モデル、現行クロストレックは2022年9月に世界初公開された現行世代がベースです。クロストレックについては2026年9月17日に全グレードをストロングハイブリッド「e-BOXER」へ統一する改良が発表されたばかりで、今回の改善対策対象車(2026年6月製造)はその改良より前、旧グレード構成の時期に作られた車両にあたります(詳しくはこちらの記事で整理しています)。

当サイトのデータでは、2026年9月時点でフォレスターは流通2,303台・平均243万円(価格帯70〜490万円)、クロストレックは流通489台・平均294万円(価格帯160〜440万円)です。このうち2026年式は、フォレスターが75台(390〜490万円)、クロストレックが21台(220〜440万円)流通しており、今回の対象車台番号にあたる個体が、初度登録から日の浅い中古車としてすでに市場に出ている可能性があります。※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による参考値で、日々変動します。

改善対策の対象379台と、フォレスター・クロストレックの中古流通台数(全年式合計)の比較

対象は2車種合計で379台と、フォレスター・クロストレックの中古流通全体(全年式合計で2,792台)の1割強にとどまります。不具合件数・事故ともに0件で、市場からの苦情ではなく社内確認で見つかった不具合であることもあわせると、今回の措置がフォレスター・クロストレック全体の相場を押し下げる材料にはなりにくいとみられます。ただし、該当の車台番号に当たる個体を検討している場合は、点検・交換が済んでいるかどうかを個別に確認しておく必要があります。

車台番号は、国土交通省のリコール情報検索、またはSUBARU公式サイトのリコール情報ページから調べられます。届出番号は「721」です。販売店で商談・契約する際は、車検証に記載された車台番号を伝えたうえで対象外であることを確認しておくと安心です。

読者はどうすべきか

  • 2026年式のフォレスター・クロストレックを中古で検討している方:車台番号が対象範囲(フォレスターSLG-022430〜023107、クロストレックGUF-026178〜026365)に含まれていないか、購入前に販売店やSUBARUの窓口で確認しておくと安心です。査定診断ツールで個体の状態もあわせて確認しておくとよさそうです。
  • 対象車台番号にあたる車両を保有している方:ダイレクトメール等の通知を待つか、SUBARU お客様センターへ問い合わせれば、無料で点検・交換を受けられます。
  • フォレスター・クロストレックの世代・グレード選びで迷っている方:今回の改善対策は特定の製作期間に限られた措置で、世代全体の設計に関わるものではありません。車種比較ツールで他の年式・グレードとの違いを確認しながら選ぶとよさそうです。保有中の売却タイミングはリセール予測ツールでも確認できます。

まとめ

スバルは2026年9月24日、「フォレスター」(269台)と「クロストレック」(110台)、計379台を対象に改善対策を国土交通省へ届け出ました。対象は2026年6月10日から20日にかけて製造された車両に限られ、パーキングポウルの支持部にクラックが生じ、最悪の場合パーキングロック機能を失うおそれがある不具合です。不具合件数・事故は0件で、社内確認により見つかったものです。当サイトのデータでは現行フォレスターが流通2,303台・平均243万円、クロストレックが流通489台・平均294万円で、対象の379台は中古流通全体(2,792台)の1割強にとどまるため、相場全体への影響は限定的とみられます。該当の車台番号に心当たりがある場合は、点検・交換を済ませておくことをおすすめします。※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による参考値です。