日産自動車は2026年9月21日(米国東部時間・月曜日)、ニューヨークで次世代「ローグ(Rogue)」を発表しました(本稿執筆時点=2026年9月23日の情報。一次情報は発表から2日ほど経過しています)。北米では「ローグ」の名で2027年モデルとして展開されますが、北米以外の市場ではこれまで通り「エクストレイル」の名で販売される見通しです。新世代モデルは第3世代の「e-POWER」を搭載し、生産は現行エクストレイルと同じ日産九州工場(福岡県)で行われる計画で、グローバル販売は2026年10〜12月期に始まる予定です。結論から言うと、日本での発売時期そのものはまだ公表されていませんが、生産計画からみて現行T33型エクストレイルの「次の世代」が現実的な射程に入ってきたニュースであり、中古のT33型を検討・保有している読者にとっては、世代交代を見据えて動き出す目安になります。
何が起きたか:北米仕様「ローグ」の価格・仕様が判明
日産は発表にあわせて、北米向け「2027年型ローグ ハイブリッド」の価格とスペックを公開しました。目的地料金(1,575ドル)を除いたメーカー希望小売価格(MSRP)は次のとおりです。
| グレード | MSRP | 参考円換算(1ドル=156円) |
|---|---|---|
| SV | 35,490ドル | 約554万円 |
| SR | 37,490ドル | 約585万円 |
| Platinum | 43,490ドル | 約678万円 |
※ 円換算は2026年9月19日時点の実勢レート(1ドル=156円程度)を参考に編集部で算出した参考値です。実際のレートは日々変動し、日本仕様の価格・発売時期は別途発表される見込みで、上記はあくまで北米価格の目安です。
このほか「SR Technology Package」が4,000ドル、「SV Premium Package」が2,100ドルの追加オプションとして設定されています。納車は上位仕様の「SR AWD with SR Technology Package」から2026年秋に始まり、SV・SR・Platinumのフルグレード展開は2027年初頭となる計画です。
第3世代e-POWERとは:発電専用エンジン+電気駆動という基本構造は継承
新型ローグ/エクストレイルが搭載する第3世代e-POWERは、1.5リッターターボ3気筒エンジンを発電専用に用い、駆動はすべて電気モーターが担う「シリーズ式ハイブリッド」です。この基本構造自体は現行のe-POWERから変わっていません。今回はこれに1.67kWhのリチウムイオン電池を組み合わせ、四輪駆動仕様「e-4ORCE」ではフロントモーターが202馬力(330Nm)、リアモーターが134馬力(195Nm)を発生し、システム最高出力は225馬力です。日産によれば、e-POWERは2016年の実用化以来、68の国と地域で累計約200万台に搭載されてきました。ローグ/エクストレイルという車名自体も、3世代を通じて世界で累計約400万台を売り上げてきた基幹SUVです。
「ローグ」と「エクストレイル」は名前こそ異なりますが、北米向けが「ローグ」、日本や欧州など北米以外の市場向けが「エクストレイル」という、同一車種の地域別ブランド名です。現行世代でもこの関係は同じで、パワートレインや基本骨格を共有しています。
生産は現行モデルと同じ日産九州工場、世界販売は年内スタート計画
今回の発表で中古車市場との関連で見逃せないのが、生産体制と販売スケジュールです。日産は新型ローグ(グローバルではエクストレイル)を、現行エクストレイルと同じ日産九州工場(福岡県苅田町)で生産すると説明しています。そのうえで、グローバル販売は2026年10〜12月期に始まる計画であることも明らかになりました。
日本市場向けエクストレイルの具体的な発売時期は、今回の発表では公表されていません。ただし、生産拠点が現行モデルと共通であること、そしてグローバル販売の開始時期が今四半期中に設定されていることから、日本への新世代エクストレイル投入も、そう遠くない時期に具体的な発表があってもおかしくない段階に入ったといえます。なお、日産は2026年9月10日にも国内の生産体制再編を発表しており(詳細はこちらの記事で整理しています)、九州工場を含む国内生産の位置づけそのものが今、動いている局面でもあります。
中古車市場への影響:現行T33型の相場はどう動くか
当サイトのエクストレイルの中古車相場ページによると、2026年9月22日時点の流通台数は全体で3,183台・平均価格181万円、価格帯は50万〜450万円です。この母数には2013年式以前の旧世代(T31型)や2014〜2021年式の先代(T32型)も含まれるため、2022年のフルモデルチェンジ以降の現行T33型に絞ると、次の分布になります。
| 年式 | 流通台数 | 価格帯 |
|---|---|---|
| 2026年式 | 52台 | 370万〜450万円 |
| 2025年式 | 130台 | 310万〜450万円 |
| 2024年式 | 169台 | 270万〜450万円 |
| 2023年式 | 241台 | 230万〜450万円 |
| 2022年式 | 151台 | 150万〜430万円 |
T33型だけで743台が流通しており、最も台数が多いのは2023年式の241台で、T33型全体の32%を占めます。図のとおり、初期ロットにあたる2022〜2023年式の在庫が厚く、これから3〜4年落ちとしてまとまった台数が市場に出てくる時期に重なります。
日産は2026年9月3日にもT33型の一部仕様変更を発表しており(詳細はこちらの記事で整理しています)、その時点では「パワートレインやボディ形状に大きな変更はなく、しばらく同じ骨格で販売され続ける見通し」と整理しました。今回の第3世代e-POWER搭載モデルの発表は、その見通しに具体的な期限が見え始めた材料です。一般に、新世代モデルの投入が現実的な日程に入ると、現行世代の中古相場は緩やかに軟化し始める傾向があります。ただし今回はまだ日本国内の発売日程が確定していないため、現時点でT33型の相場が急変する材料ではなく、「今後半年〜1年程度で動きが出やすくなった」と捉えるのが妥当です。
※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による2026年9月22日時点の参考値で、日々変動します。手元の1台の実際の査定額は査定診断でご確認ください。
読者はどうすべきか
- 現行T33型を売却予定の方:日本での新世代投入時期はまだ確定していませんが、生産計画・グローバル販売計画から世代交代が具体化しつつある局面です。正式発表が出て相場が動き出す前に、査定診断ツールで現在の相場感を確認しておくと判断がしやすくなります。
- 予算重視でT33型を探している方:2022年式は価格帯の下限が150万円からと、T33型の中では比較的手が届きやすい水準です。狙い目度マップで年式・走行距離ごとの割安ゾーンをあわせて確認してみてください。
- 第3世代e-POWER搭載車に関心がある方:日本での発売時期・価格は未発表のため、現時点で中古車として選ぶ選択肢はありません。現行T33型との違いは、正式な日本仕様の発表を待ってから車種比較ツールで見比べるのが確実です。
まとめ
日産は2026年9月21日、第3世代e-POWERを搭載する次世代「ローグ」(北米以外では「エクストレイル」)を発表しました。生産は現行エクストレイルと同じ日産九州工場で、グローバル販売は2026年10〜12月期に始まる計画です。日本での発売時期はまだ公表されていませんが、生産・販売計画の具体化は現行T33型にとって世代交代が現実味を帯び始めたサインといえます。現行T33型は743台が流通し、2023年式が241台と最多です。相場が大きく動く前の今のうちに、自分の1台の相場感を確認しておくとよさそうです。