レクサスは2026年9月10日、フラッグシップセダン「LS」を一部改良し、全国のレクサス店を通じて同日発売しました(本稿執筆時点=2026年9月11日の情報。一次情報はトヨタ自動車の公式ニュースルームで2026年9月10日に発表されたもので、発表から1日程度しか経っていません)。足回りの補強による乗り心地・操縦安定性の底上げが柱ですが、中古LSを検討している読者にとって見逃せないのは価格面の変化です。全グレードで価格が上がったうえ、これまでの最安グレードが姿を消し、新車の最低価格が157万円も上昇しました。何が変わったのかと、中古LSの相場にどう波及しうるかを整理します。
LSとは:レクサスのフラッグシップセダン
LSはレクサスの頂点に位置するフラッグシップセダンで、その源流は1989年に登場した初代LSにさかのぼります。日本では2005年のレクサスブランド上陸以降、それ以前の「トヨタ セルシオ」の後継として位置づけられてきました。現行型は2017年に登場した5代目で、GA-Lプラットフォームを採用し、デザイン・走行性能・安全装備のいずれも刷新した意欲作として登場した経緯があります。当サイトの中古LSデータでも2017年式が109台流通しており、5代目の登場年と一致します。翌年にあたる2018年式が199台と最多流通になっているのは、発売直後の需要の厚さやリース・社用車としての導入がまとまって反映された年式とみられます。今回の一部改良は、このロングセラーの5代目に対する継続的な熟成の一環です。
何が起きたか:足回りを中心とした一部改良
今回の改良は、フロントエンド・リアエンドに加えて新たにセンタートンネルを補強し、車体の「体幹」を強化したことが柱です。リアサスペンションブレースとラゲッジブレースには、熱硬化樹脂を塗布して焼き付けるレスポンス向上減衰構造「REDS」を採用し、高周波振動を低減しました。あわせてAVS(可変サスペンション)とEPS(電動パワーステアリング)をチューニングし、ロール・ピッチの揺れが少ない車両姿勢と、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を狙ったとしています。装備面では、これまでメーカーオプションになかったパノラマルーフを全グレードで新設定したほか、最上級グレード「EXECUTIVE」には切子調カットガラスオーナメントパネルの新色が加わりました。フルモデルチェンジではなく、外観の大きな変更やパワートレインの刷新はありません。
レクサスLSの価格は:全グレードで32万〜47万円上昇
改良後の価格(消費税10%込み)は次のとおりです。
| グレード | 駆動方式 | 価格 |
|---|---|---|
| F SPORT | 2WD(FR) | 1,414万円 |
| F SPORT | AWD | 1,462万円 |
| version L | 2WD(FR) | 1,604万円 |
| version L | AWD | 1,652万円 |
| EXECUTIVE | 2WD(FR) | 1,757万円 |
| EXECUTIVE | AWD | 1,805万円 |
前回改良にあたる2025年9月25日発売モデルの価格と比べると、F SPORTは35万円、version Lは47万円、EXECUTIVEは32万円、それぞれ上昇しています。
さらに見逃せないのが、グレード構成そのものの変化です。2025年9月時点では上のF SPORT・version L・EXECUTIVEに加え、より手が届きやすい「Iパッケージ」(2WD1,257万円・AWD1,305万円)がラインアップに含まれていました。しかし今回の価格表にIパッケージの記載はなく、グレードはF SPORT・version L・EXECUTIVEの3種に整理されています。この結果、新車の最低価格はIパッケージ2WDの1,257万円から、新たな最安グレードであるF SPORT 2WDの1,414万円へと、157万円も切り上がったことになります。※ 価格はいずれもメーカー公表値・消費税10%込みの参考値です。
中古レクサスLSの相場への影響
当サイトのLSの中古車相場ページによると、2026年9月時点の流通台数は791台、平均価格は431万円、価格帯は65万〜1,045万円です。年式別では2018年式が199台と最も多く流通しており、価格帯は245万〜1,045万円となっています。2021年式は89台で405万〜1,045万円、2023年式は28台で585万〜1,045万円と、年式が新しくなるほど流通台数が絞られ価格帯の下限も切り上がっていく傾向が読み取れます。
図のとおり、改良前の新車最安値(Iパッケージ2WD・1,257万円)と改良後の新車最安値(F SPORT 2WD・1,414万円)の差は157万円に達し、中古LSの平均価格431万円との差はさらに広がっています。フルモデルチェンジではないため中古LS全体の相場を急変させる材料ではありませんが、新車のエントリー価格帯が事実上消えたことで、「手の届く価格でLSに乗る」という選択肢の重心が、これまで以上に中古市場側へ寄ったと言えます。とくに流通量が厚い2018年式のような年式は、年式なりの装備・仕様であることを踏まえたうえで、価格面での相対的な割安感が増す方向に働きやすい局面です。
読者はどうすべきか
- 手が届く価格帯でLSを探している方:新車のエントリーグレードが消えた今、予算重視なら中古が現実的な選択肢になります。予算シミュレーターで維持費まで含めた総額を確認してから年式を絞り込みましょう。
- 新車と中古のどちらにするか迷っている方:今回の改良は足回り中心で外観・パワートレインは大きく変わっていません。乗り心地の違いがどこまで体感差になるかは試乗で確認しつつ、車種比較ツールで新車価格帯と中古相場を並べて検討するのがおすすめです。
- 売却・買い替えを考えているLSオーナーの方:新車価格の底上げは、同世代の中古LSにとって相対的な割安感を後押しする材料になり得ます。手放すタイミングを検討する際は狙い目度マップで年式ごとの相場推移の傾向もあわせて確認してみてください。
レクサスの動きは他の高級セダンにも波及しうるテーマです。中古車相場全体の底堅さについてはこちらの記事でも整理していますので、あわせて参考にしてください。
まとめ
レクサスは2026年9月10日、「LS」を一部改良し、足回りの補強による乗り心地・操縦安定性の向上を柱とする商品改良を実施しました。価格は全グレードで32万〜47万円上昇したうえ、最安グレードだった「Iパッケージ」がラインアップから消え、新車の最低価格は157万円切り上がっています。フルモデルチェンジではないため中古LS全体の相場が急変する材料ではありませんが、新車のエントリー価格帯が事実上消滅したことで、中古LS(流通791台・平均431万円)の相対的な価格の魅力は増す方向に働きそうです。※ 台数・価格は当サイト独自の市場分析による2026年9月時点の参考値で、日々変動します。