三菱自動車は2026年8月27日、軽ハイトワゴン「eKクロス」「eKワゴン」を一部改良し、同日から全国の系列販売会社で発売しました。目玉は降車時に後席の乗員や荷物の残留をドライバーに知らせる「リアシートアラート」の新設で、衝突被害軽減ブレーキ「FCM」の検知範囲拡大とあわせて安全・利便性を底上げしています。価格はeKクロスが185万6,800円〜222万5,300円、eKワゴンが154万3,300円〜177万4,300円で、いずれも2025年7月の前回改良時より上昇しました。中古のeKクロス・eKワゴンを検討している、あるいは売却を考えている読者にとって、今回の改良がどの程度の材料になるのかを整理します。

※ 情報の鮮度について:本記事は三菱自動車の公式プレスリリース(2026年8月27日発表・同日発売)を一次情報としています。発表から本記事公開までの経過時間は3日強で、速報ではなく「意味づけ」を主眼にした解説記事として扱います。中古相場のデータは2026年8月時点のikura-cars.com調べによる参考値です。

三菱「eKクロス」「eKワゴン」一部改良の内容

今回の一部改良は、デザインの一部見直しと安全装備の強化が柱です。フルモデルチェンジではなく、パワートレインやボディサイズに変更はありません。

項目内容
発表・発売日2026年8月27日(同日発売)
リアシートアラート新規追加。降車時に後席の乗員・荷物の残留をドライバーに通知
衝突被害軽減ブレーキ「FCM」フロントカメラの画角を広げ、検知範囲を拡大
USBポート充電用ポートをType-AからType-Cへ変更
eKクロスの外装フロント・リアバンパー、テールゲートガーニッシュをボディ同色化
ボディカラー2トーン3色・モノトーン1色を新設定。eKクロスは全10色、eKワゴンは全11色に拡大

※ 出典:三菱自動車プレスリリース「軽ハイトワゴン『eKクロス』『eKワゴン』を一部改良」(2026年8月27日)

リアシートアラートは、夏場に子どもやペットを車内に残したまま離れてしまう置き去りへの注意喚起として、近年国内の軽自動車で採用が広がっている装備です。三菱は自社のeKシリーズにこの機能を組み込むことで、安全装備の底上げを図った形になります。

eKクロス・eKワゴンの価格はどれだけ上がったか

一部改良のたびに価格が見直されるのは毎年のことですが、今回の上げ幅は小さくありません。2025年7月の前回改良時と比較すると、次のようになります。

車種2025年7月(前回改良)2026年8月(今回改良)上昇幅(最安〜最高)
eKクロス174万3,500円〜210万6,500円185万6,800円〜222万5,300円+11万3,300円〜+11万8,800円
eKワゴン146万8,500円〜168万3,000円154万3,300円〜177万4,300円+7万4,800円〜+9万1,300円

※ 出典:三菱自動車プレスリリース(2025年7月24日・2026年8月27日)。価格はいずれも消費税10%込。

eKクロスは最安グレードで11万円以上、eKワゴンも7万円台後半の値上げとなっており、装備の底上げ分を勘案しても、新車の実質的な購入負担は軽くありません。新車価格が上がるほど、状態の良い中古車との価格差は縮みにくくなり、中古を選ぶ動機がむしろ強まる場面もあります。

中古のeKクロス・eKワゴン相場はどう動くか

ikura-cars.comの調べでは、2026年8月時点の中古相場は次の通りです。

車種流通台数平均価格価格レンジ
eKワゴン1,980台72万円15万円〜415万円
eKクロス341台111万円40万円〜420万円

eKクロスは2019年式が128台と最も多く流通し、価格帯は40万円〜180万円です。年式が新しくなるほど価格は上がり、2025年式は120万円〜200万円となっています。eKワゴンは流通台数がeKクロスの5倍以上あり、価格帯の裾野も広いのが特徴です。

eKクロス/eKワゴンの新車価格(最安グレード)と中古平均価格の比較

グラフで見るとわかる通り、eKワゴンは新車最安154.3万円に対し中古平均72万円と、価格差が2倍以上あります。eKクロスも新車最安185.7万円に対し中古平均111万円で、いずれも中古に大きな価格メリットが残っている状態です。

今回の改良は装備の追加が中心で、フルモデルチェンジのような外観・性能面の刷新ではありません。そのため、改良前モデル(2025年7月〜2026年8月に販売されていた個体)が中古市場に出回り始めても、相場が急落するような話ではないとみられます。ただし、リアシートアラートやFCM検知範囲拡大といった安全装備は、装備の有無が中古車選びの比較材料になりやすい項目です。今後、改良前モデルの個体が中古市場に増えてくるにつれ、リアシートアラートの有無で価格に差がつく可能性はあります。なお、今回改良されたのはガソリンエンジンの「eKクロス」「eKワゴン」で、電気自動車版の「eKクロスEV」は対象に含まれません。eKクロスEVを巡る動きはスズキ初の軽EV「e SKY」始動、中古の日産サクラ・三菱eKクロスEVはで扱っています。

中古のeKクロス・eKワゴンを検討する読者はどう動くべきか

  • これから中古のeKクロス・eKワゴンを探す方:今回の改良で新車価格が上がった分、中古車の割安感は相対的に強まっています。急いで最新装備にこだわらないのであれば、改良前モデルを中古で狙うのは引き続き有力な選択肢です。予算からの逆算は予算シミュレーター、他の軽ハイトワゴンとの比較は比較ツールで確認してください。
  • リアシートアラートなど最新の安全装備を重視する方:改良後モデルが中古市場に出回るのはまだ先です。装備を優先するなら新車、価格を優先するなら改良前の中古という選択になります。買い時診断ツールで自分の優先順位に合ったタイミングを確認するとよいでしょう。
  • eKクロス・eKワゴンの売却を検討中の方:今回の改良は外観・性能の大幅刷新ではないため、保有中の車両の相場が急落する材料ではありません。売却時期を焦る必要は薄いといえます。

まとめ

三菱自動車は2026年8月27日、「eKクロス」「eKワゴン」を一部改良し同日発売しました。リアシートアラートの追加やFCM検知範囲の拡大など安全装備の強化が中心で、価格は前回改良からeKクロスで11万円台、eKワゴンで7万円台後半上昇しています。中古相場はeKワゴンが平均72万円、eKクロスが平均111万円と、いずれも新車最安値との間に大きな価格差が残っており、中古を選ぶメリットは引き続き大きい状況です。改良は装備面が中心でフルモデルチェンジではないため、相場が急に動く材料にはなりにくいものの、安全装備の有無が今後の中古車選びの比較ポイントになっていきそうです。