ダイハツ工業は2026年8月27日、軽乗用車「ミライース」の一部改良を発表し、同日発売しました。新しいグレード体系の最廉価グレード「L(2WD)」は109万6700円で、これまでの最廉価グレード「B(2WD)」(99万2200円)は廃止されています。結論から言うと、この改定によって国内で新車として購入できる乗用車から100万円以下の価格帯が実質的に姿を消した形とみられ、これまで新車の最安価格帯を選べていた予算重視の買い手が、中古車、なかでも改良前のミライースへ流れやすくなる構図です。
※ 情報の鮮度について: 本記事はダイハツ工業の公式発表(2026年8月27日)を一次情報とし、Car Watch・グーネットマガジン・carview!など複数媒体の報道とあわせて内容を確認しています。発表から本記事公開までの経過時間は2日前後で、速報に近い形で扱っています。中古車相場のデータはikura-cars.com調べ(2026年8月時点)による参考値です。
ミライースとは 軽自動車の「最安値」を担ってきたモデル
「ミライース」は2011年に初代が発売され、2017年5月9日から現行の2代目が販売されているダイハツの軽乗用車です。2代目の発売時価格は84万2400円(B・2WD)からで、以来複数回の一部改良・価格改定を経て、2024年10月時点の最廉価グレードは99万2200円(2WD)でした。「新車で買える最も安い乗用車」の代名詞的な存在として、個人ユーザーだけでなく法人・営業車需要でも選ばれてきた車種です。
一部改良で何が変わったのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表・発売日 | 2026年8月27日(発表と同日発売) |
| 価格帯(消費税込) | 109万6700円〜150万7000円 |
| 最廉価グレード | L(2WD) 109万6700円(新設) |
| 廃止グレード | B(2WD) 99万2200円 |
| 新設グレード | X”Limited”(プッシュボタンスタート・シートヒーター等を追加) |
| 燃費改善率 | 2WD約8%・4WD約5%向上 |
| 安全装備 | 予防安全機能「スマートアシスト」を更新し、路側逸脱警報・ふらつき警報を新規追加、対歩行者の衝突回避支援ブレーキの対応速度域を60km/hから80km/hに拡大 |
※ 価格は消費税込・メーカー希望小売価格。数値はダイハツ工業の発表内容を、Car Watch・グーネットマガジンの報道と突き合わせた参考値です。
グレード体系は「L」「X」「X”Limited”」の3グレード(各2WD/4WD)に整理され、従来の「B」グレードはなくなりました。快適装備を積み増した新グレード「X”Limited”」の追加もあり、実質的には全体を一段階上の装備・価格帯へ寄せた改定といえます。あわせてメーターは従来のデジタル表示から針式のアナログメーターに変更されており、コストと見やすさのバランスを取り直した改良という見方もできます。
「100万円以下の新車消滅」の裏付けは
今回の改定が注目されているのは、単なる値上げにとどまらず「新車で100万円を切る乗用車」自体が国内からなくなったとみられる点です。ミライースの旧Bグレード(99万2200円)は、長らく国内メーカーの新車乗用車のなかで最も安いグレードの一つでした。競合のスズキ「アルト」も一部改良を経ており、現行の最廉価グレードは114万2900円です。この2車種を含め主要メーカーの現行ラインアップを見る限り、ミライースの旧Bグレードが事実上「最後の100万円以下」だったとみられ、今回の廃止でその価格帯が新車市場から姿を消した形です。ミライース自体は109万6700円からと、引き続き国内で最も安い新車乗用車のポジションは維持しています。
中古のミライース相場は今どうなっているか
ikura-cars.comの相場データ(2026年8月時点)によると、ミライースの中古流通台数は4,991台、平均価格は69万円、価格帯は20万円〜420万円です。年式別に見ると、2025年式は1,206台が流通し価格帯60万円〜420万円、2021年式は443台で20万円〜140万円、2012年式(初代)でも355台が流通しており20万円〜420万円と、年式を問わず選択肢が厚いのがこの車種の特徴です。中古平均の69万円は、今回新設された新車最廉価グレード(109万6700円)の6割程度の水準で、新車の下限が上がったことで中古との価格差はむしろ広がったとみられます。N-BOXなど他の人気軽自動車でも、走行距離が伸びるにつれ車種間の価格差が縮む傾向が確認されています。

中古車市場への影響 軽自動車全体にどう波及するか
新車の最安価格帯が事実上消えたことで、予算100万円前後で軽自動車を探していた層の受け皿は、当面は中古車に移りやすくなるとみられます。特に旧Bグレードや、それ以前の年式のミライースは、廃番になったことで「新車では手に入らない価格帯の選択肢」として、当面は値落ちが緩やかになる可能性があります。一方で、燃費・安全装備が底上げされた新型が109万円台から選べるようになったことで、走行距離の多い古い個体との装備差はこれまで以上に意識されやすくなり、程度の見劣りする個体は相対的に選ばれにくくなることも考えられます。他メーカーの軽自動車についても、N-BOXが軽自動車販売で首位を保ってきたように最廉価帯の値上がりは業界全体の価格改定の流れの一つであり、アルトなど競合車の次の改良でも同様の価格見直しが続く可能性があります。
読者はどうすべきか
- 予算100万円前後で新車の軽自動車を探していた方: 新車での選択肢が事実上なくなったため、中古が現実的な候補になります。予算シミュレーターで無理のない価格帯と、新車・中古のどちらが見合うかを確認することをおすすめします。
- 中古のミライースを検討している方: 年式によって価格帯が大きく変わります。車種比較で年式・グレード別の相場を並べて確認しておくと選びやすくなります。
- 旧グレードのミライースを手放すか迷っている方: 廃番グレードとして当面は値落ちが緩やかになる可能性があります。買い時マップで売却のタイミングを確認しておくと安心です。
まとめ
- ダイハツは2026年8月27日、「ミライース」を一部改良し価格改定。新設の最廉価グレード「L(2WD)」は109万6700円で、従来のBグレード(99万2200円)は廃止されました
- スズキ「アルト」の最廉価グレード(114万2900円)などと合わせて見ても、国内の新車乗用車から100万円以下の価格帯が実質的になくなった形とみられます
- 中古のミライースは流通4,991台・平均69万円(2026年8月時点)で、新車の下限が上がったことで新車と中古の価格差はむしろ広がったとみられます
- 旧グレード・古い年式の中古は当面値落ちが緩やかになる可能性がある一方、燃費・安全装備が向上した新型との装備差は意識されやすくなるとみられます
実際の取引価格は個体の状態やグレード、地域差によって変動します。中古での購入・売却を検討する際は、最新の相場情報とあわせて確認してください。